寸法変化率【contraction rate】
寸法変化率とは、生地が洗濯・アイロンなど様々な要因で寸法が変化する割合のこと。特にニット・カットソー素材、更にはポリウレタン混のストレッチ素材でも問題となることがある。伸縮性がある素材 = 寸法が変化しやすい。
ポイント
生地の長さ 100cm → 洗濯後に95cmになった場合
(100 ー 95 )÷ 100 = 5% (寸法変化率)
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寸法変化
寸法変化に関しての問題は洗濯後に起こる場合が多い。また、ニット・カットソーの編み地を使用している製品は洗濯条件以外に、脱水・乾燥方法・アイロンでも影響を受けやすい。
1.緩和収縮
素材によって、生産加工時に受けた歪があり、それが洗濯処理で緩和されることで置きてしまう収縮。染色工程の乾燥時や仕上げセットの矯正の際のテンションのかけ方によって発生することが多い。特に綿やレーヨン、獣毛の素材などの水分率の高い吸湿性のある生地に発生が多く見られる。対策としては、染色工程の乾燥上がりのタイミングでの中間検査での管理や仕上げセット後にロットごとの寸法変化率の管理で、異常なテンションがどこの工程で発生しているかを突き止めることが重要となる。
2.熱収縮
文字通りの熱による収縮のこと。アイロン処理を行ったときに見られる収縮現象。繊維の性質及び、セット時の熱による熱履歴に左右される。対策としては、使用素材に適したアイロンの温度管理を行うこと。セット時の処理時間も重要な要因となる。
3.フェルト収縮
ウール繊維表面のスケール(ウロコ)の方向性があり、洗濯などで揉まれることでスケールの引っかかりがない方向にのみ繊維が移動することでフェルト化して収縮する現象。対策としてはスケールの尖端を薬剤処理することで引っかかりを抑え、フェルト化を防止する。ウォッシャブルウールと呼ばれている素材。
4.プレス収縮
パーツに対する乾熱処理での中間プレス工程で乾燥していた素材が、徐々に水分を吸収して起こる寸法の変化。主に毛織物素材の縫製時の中間工程でパーツでの寸法差につながる。対策としては裁断前に行うスポンジグ処理(縮絨)が効果的である。
自重伸び
自重伸びは、セーターや粗い目のカットソー素材製品に起こる、製品自体の重さによって丈方向に伸びる現象。
注意ポイント
- 度目の粗い伸びやすい編み組織による生地の要因
- よこ編地の裁断・型入れ時における「横地の目裁断」「バイアス裁断」などのカッティングの要因
- 芯地などを使用した伸び止めなどの縫製上の対策不足
- 水分を含んで重量が増した状態でのハンガー吊りでの乾燥や、保管の要因
ポイント
- 度目の粗い伸びやすい編み組織による生地の要因
- よこ編地の裁断・型入れ時における「横地の目裁断」「バイアス裁断」などのカッティングの要因
- 芯地などを使用した伸び止めなどの縫製上の対策不足
- 水分を含んで重量が増した状態でのハンガー吊りでの乾燥や、保管の要因
寸法変化率試験
寸法変化率は各検査機関に試験、確認することができます。
qtec-quality-standards-jp ・・・QTEC参考検査表
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