
木綿・コットン【cotton】
綿・コットンは木綿植物の種子の表皮細胞が細長く成長したもの。中空部(ルーメン)を持ち、主成分はセルロースである。
セルロースは分子構造上、非常に親水性がある。綿の繊維は繊維軸方向に1cmあたり数10個のよじれ(天然撚り)があり、繊維断面にはつぶれた中空部分がある。このような形態特性から、柔軟性や含気性が高い。また、よじれがあるために紡績工程での繊維同士の絡み合いが容易となり、糸に紡績することができる。綿の特性としては、丈夫で水分を含むと強度が増す。さらにアルカリに強く、洗濯や漂白がしやすく、染色性も良いという特長がある。ただし、シワになり易く、洗濯で収縮してしまう。ポリエステルに次いで消費量が多く、衣料・寝具等を始め、非常に多くの分野で使用されている。産地や種類によって繊維長が違う。
日本での綿花栽培
日本で初めて綿花の栽培に成功したのは1492年から1501年頃からで、三河国(愛知県東部)で綿栽培と機織りが行われ、1573年から1592年頃には近畿地方の大和、河内、摂津、和泉、播磨などに広がっていった。開国後の貿易により海外から安価な綿織物が輸入され、日本の綿花栽培は衰退に向かう。日本の綿花は短繊維のため、機械紡績にも不向きであった。そのため中国綿の輸入が明治中期に始まると、衰退はさらに加速し、明治後半にはほとんど栽培されることはなくなった。
綿栽培に関して

綿栽培は、5月初旬の八十八夜ころに種をまき、7月ごろに花をつけ、9月ごろに収穫される。日当たりのよい場所で、水はけが良い土地に向いている。土が乾かないように朝夕の水やりが大切。肥料に関しても2回ほどの追肥が必要とされ、手間の掛かる植物である。

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