エスニックスタイル 【ethnic style】
エスニックは「人種的な、民族的な」と訳されたり、「異邦人の、異教徒の」という西洋から見た視点での意味で訳され、特にユダヤ教とキリスト教以外の民族調ファッションとしての意味する場合が多い。近い単語としてフォークロアという用語も用いられるが、元の意味が「民俗・民間伝承」という意味から、ファッションとしては少し軽い「民族調の」ファッションをイメージすることが多い。ファッション用語としてはどちらかと言えば、エスニックの方がフォークロアよりも「土着的」意味合いが強く、アフリカ・中近東・南米・インド・東南アジア・モンゴル等の地方が主なベース地域となっている。
エスニックファッションの特徴
エスニック系ファッションは、元々暑い地域のアジア・南米・アフリカなどの民族衣装がモチーフとなっていることが多く、ゆるいシルエットとさらっとした軽い着心地の素材が活きるスタイルです。原色に近いカラフルなモチーフが多いことも特徴です。シルエットや柄が独特なので、着こなしを間違えると野暮ったく少し日本人には上級者のファッションスタイルかもしれません。
エスニック系ファッションを上手に着こなすには、2つのポイントに注意してください。
シルエットや上下のバランス
ゆるく、フワッと軽いのが魅力のエスニック系スタイルですが、ただゆるくするだけでは、だらしなく見えたり太って見えたり、不潔な印象すら与えてしまう場合があります。まとまった印象にするためには、首元や手首、足首など体の一部を見せると良いでしょう。
上下のバランスが大切で、ワイドパンツやマキシスカートを履く場合、トップスはゆるくても短めのものを選ぶと、野暮ったくなくなります。逆にトップスの裾が長い場合、ボトムスのボリュームは抑え、肌の部分を出すと引き締まって見えます。
柄と色のバランス
代表的なエスニック柄
幾何学柄
トルコ・アナトリア高原から中央アジアの広い地域に住んでいるチュルク族や遊牧民たちが織る、キリムの織物に見られるような様々なモチーフや、ペルシア絨毯などにも見られるオリエンタル柄が代表的。
ペイズリー
元々は、インドのカシミール地方でカシミア・ショールに使われていた伝統文様と言われている。この模様は18世紀初めにスコットランドのペイズリー市で模造品として大量生産されたショールとして出回ったため、この模様がペイズリーと呼ばれるようになった。
ペイズリー【paisley】
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ボタニカル
ボタニカル柄とは、花柄に加えて木の葉や茎、草、実などをモチーフにした柄全般を指します。エスニックな印象の場合は、熱帯地方の植物やビビッドなカラーの花や植物をモチーフにする。
取り入れやすいエスニックの3アイテム
サルエルパンツ sarrouel pants
サルエルパンツとは膝上が長くヒップ周りもゆったりとし、股下が深く垂れ下がったことが特徴のパンツ。元々イスラム文化圏の民族衣装で、イスラム語で“おむつ”を指すサルールから名づけられた。'77年の春夏パリコレクションで登場し始めた。おすすめはもも回りと裾幅のメリハリが控えめのタイプ。本来は、足首を細く絞ったシルエットのタイプはシャルワールと呼ばれて区別されているが、現在ではあまり区別がなく呼ばれている。サルエルパンツを履くだけで、一気にエスニック系ファッションらしくなります。1980年代にMCハマーが着用してから、個性的なアーティストに好まれるようになり、エスニックなアイテムにとどまらなくなってる。
小物
アクセサリーは、一番手軽に取り入れられるエスニックアイテムです。ナチュラル素材を活かした、木や花、木の実モチーフなどでできた大ぶりのアクセサリーは、シンプルなファッションと合わせるだけで一気にエスニック系ファッションらしくなります。アンティークゴールドやアンティークシルバー、さらにターコイズなどもエスニックな印象となり、ビーズや刺繍、ストーンで幾何学柄を施した靴や鞄、帽子といったアイテムもおすすめです。
ワンピース
レディースアイテムではワンピースは、上下のバランスを考えなくても簡単にエスニックファッションを楽しめるアイテムです。総柄やマキシ丈、刺繍が入ったものなどを選ぶと、エスニック系ファッションらしくなります。