放反(ほうたん)
放反とは反物として、紙管に巻かれている生地を裁断前にバラして生地を緩めることです。
アパレル製品に使用される生地は一般的に30m~50mほどを紙管に巻きつけた状態で出荷します。これは輸送のしやすさや、その後の作業のしやすさを考えて、このような形になってきました。しかし生地がシワにならないように紙管にキレイに巻き付けるためには、生地を引っ張りながら巻き付けなければあんりません。つまり生地は引っ張られたまま倉庫に保管されて輸送され、縫製工場で裁断工程に入るまで引っ張られたままだということです。
ずっと引っ張られていた生地は解くとすぐに元の安定した長さに戻るわけではありません。特に伸縮性の高いポリウレタン混の素材では、すぐに裁断してしまうと仕上がるころには数センチ縮んでしまっていたということも起こります。このようなトラブルを防ぐために、反物を解いて生地に掛かったテンションを緩めることを放反といいます。一般的に一日放置することでこのテンションを通常の安定した状態になると言われていますが、確かな時間は分かりませんし、本当に安定した状態になったかを目視で確認することは不可能です。
放反は写真のようにシワができないように波状に生地を解いて、放置します。作業のデメリットとしては、裁断前準備として時間と場所が必要であることや、放反後には、延反作業のためにまた生地を巻かないといけないため、結局は生地のテンションがまた掛かってしまうということ。量産する場合には難しい問題の一つとなっており、実際は必ず放反しているとは限りません。
放反以外にも生地を安定させるために、スチームで生地のストレスを緩める【縮絨】という方法がある。
縮絨(しゅくじゅう)【milling】
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裁断工程を行う前の延反についてはコチラ
延反
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