検針(検針器)【needle-detector】
検針とはアパレルや雑貨製品において、その製造過程で異物(主にミシン針の欠片や、マチ針等)が混入していないかを確認すること。針の混入はユーザーのケガに繋がるため、製品を出荷する際に徹底して行わなければならない。例えば飲食店が食中毒を起こしてしまうことと同じように、アパレル生産管理者にとって非常にシリアスな問題となる。厳重なアパレル製品は、縦向きと横向きで検針器に二回通すことを指定している企業もある。検針後に未検針の製品や反応のあった製品と混ざることがないような管理を行う必要がある。
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検針器とは
検針器には、主にハンディタイプ・テーブルタイプ・コンベアタイプがある。工場では、通常コンベアタイプを使用し、使用時には異物を想定した鉄球の入ったテストピースを流し、機械が正常に動作しているか確認を行う。
検出の感度に関しては、テストピース内の鋼球の直系φ(ファイ)で換算する。
想定種別 | 鋼球換算値(φ) | 服飾付属品 | 対象品 |
ミシン折れ針(針先) | 1.0 | 0.8以下 | ファスナー・前かん等 |
標準マチ針 | 2.5 | 1.5以下 | 釦・バックル等 |
通常は0.8φで検出するように調整し、金属資材の多いものは1.2φに調整することが多い。
コンベア式では、一度に縦横の二回検針ができるようにダブルヘッドの検針器も開発されているが、アパレル企業によってはダブルヘッドタイプを禁止し、縦横の二回検針を指定している場合もある。
検針のトラブル
検品工場の事例
検針のトラブルを防ぐためには、第一は検針器の調整。検針器は金属が通過する際の微小な電力を探知するため非常に繊細です。外部の電波や振動にも反応するため、設置場所や環境、そして使用時のテストを怠らないことが重要になっています。
服飾資材の事例
服飾資材の多くは、検針器対応(基準に対して反応しない)となっていることが多いですが、下記の要因で、検針器に反応することがあります。
- 金属資材を多数使用している場合
- 資材にキズがついて、コーティングが剥がれてしまった場合
- 金属資材の位置が近い場合(服をたたんだ状態で反応し、広げると反応しない場合がある)
- 検針器に非対応の資材を使用している場合
*4に関しては企画・デザイン・サンプル作成段階での確認が必要
→ 場合によってはX線検針が必要だが、料金がUPすることを想定しなければならない
縫製工場の事例
縫製工場では、主に下記のことに関して注意が必要
縫製工場で最も多いのがミシン針が折れることによる、破片の混入である。折れた針は復元できるかチェックし、作業をしていたパーツを検針器にかけることで、二重にチェックする必要がある。新しい針に交換する際にも、余分な針を渡さないように針の数量管理を徹底することが、異物混入トラブル防止に繋がる。
その他
その他、検針反応が起きたことのある事例
製品染加工(硫化染め)
硫化染め、ダメージ加工ポロシャツでの検針反応。ハンディの検針器では反応が無かったため、特定の異物ではない。また、別の企画で同じ染工場で、同じ硫化染め製品があったが反応はなかった。特定の染料の問題なのか、染料釜の問題なのかは不明だが、検品工場によると、他社で製品染の布帛製品の際にも起こったことがあるということで、染色加工に関係している可能性が高いと思われる。
製品下げ札
特殊な製品下げ札を付けるアイテム。下げ札のラメプリントに反応。たたんだ製品を袋から出し、一度取り付けた下げ札を全て取り外して、検針器にかけることになった事例がある。工場には大きなロスとなってしまうので、企画段階からの注意が必要。