再帰反射(リフレクター)【retroreflection】
再帰反射とは、光学的に特殊な反射機構を利用し、入射した光が、元の入射方向へ光が戻る反射現象のこと。光の入射角と反射角がイコールになるような、鏡面の反射とは異なる。アパレル製品としては、その性質を利用してワークウェア、サイクリングウェア、アウトドアウェア等に利用されることが多い。
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再帰反射の材料となるのは、微小な高屈折ガラスビーズやプリズムを反射材として利用することが多い。ビーズの一つ一つが、真円球をしており一種の凸レンズとしての役割を果たしています。入射した光はガラス体を通って屈折し、一点で焦点を結びます。そして球体の底部で反射し、再びガラス体を通って元の光源に戻っていきます。すると、光源側にいる人物に非常に明るく浮かび上がって見えるというわけです。光源側にいる人物には、ハッキリ見えるのですが、自身が身に付けている場合には効果を見て取ることはできません。あくまでも、光源側から見ている場合に効果を発揮します。
主なリフレクターの効果対象
リフレクターの反射光を確認できる光源 | リフレクターを取り付けている対象 |
夜間にライトを点けている自動車のドライバー | 歩行者・工事作業者・自転車等 |
夜間にライトを点灯している自転車の運転者 | 歩行者・自転車等 |
夜間に懐中電灯を持っている歩行者 | 歩行者・自転車等 |
反射表面にフィルムがなく、ガラスビーズの上半球が露出しているオープンタイプは、一般的に封入レンズ型より約3~5倍の高い反射性能を有します。洗濯性に優れており、ユニフォーム・ベスト・スポーツアパレルなどの衣料やバック・シューズ等に使われています。
リフレクターの取り扱いについて
再帰性反射性能は油・汗・洗剤等が付着した状態で特に高温多湿の環境下で放置されると黒変の原因になります。反射性能の劣化や外観に不具合が起こる可能性があります。付着した場合は中性洗剤で洗浄後、水で洗い流してください。手触りがざらざらしているオープンレンズタイプの再帰性反射材はガラスビーズが露出している状態なので、摩擦するとガラスビーズは落ちてしまい、輝度(明るさの度合い)が必然的に落ちていきます。
実用性とデザイン
再帰反射の実用的な効果は、あくまでもハッキリとした光源を持っている人物から、リフレクターを取り付けた製品を着用している人物を見ている時に発揮される。相手目線で目立つ位置に取り付けていることが重要であり、デザインとしてもその視点でも設計が必要。体の動きによって隠れてしまうような位置では、あまり意味がないと言える。