海島綿【sea island cotton】
海島綿【sea island cotton】とは、アメリカ東南部の海岸地方または近海諸島で産出されてきたバルバデンセ種をルーツとする木綿種のこと。主にカリブ海の西インド諸島バルバドス、アンティグア、ネービス、ジャマイカ、ベリーズなどで栽培され、年間の生産量は木綿全体の10万分の1という希少な木綿となっている。繊維長が非常に細くて長いのが特徴。100番手以上の細い糸が紡績できるため、木綿の中でも最高級の品種とされている。元々は米国産海島綿はサウスカロライナからジョージア、フロリダ半島のセントジョーンズ河口に至る海岸地帯と沖合の島々が形成する細長い帯状の地域に浸透し、後にシーアイランド地方での栽培がメインとなっていったため、シーアイランドコットンと名づけられた。
アメリカでの栽培
1918年以後に害虫によって大打撃を受けたため、米国農務省が害虫に強いアメリカエジプシャン種に切り替えたため、1922年を最後にアメリカでの商業栽培が途絶えました。約100年後の2004年から、ニューメキシコ州立大学での試験農場での栽培を繰り返して2017年にテキサス州のエルパソでアメリカ産のシーアイランドコットンが再び栽培されるようになっている。
▶▶▶ シーアイランドコットンクラブ
ポイント
繊維では細くて丈夫な糸ができることが最も高級とされてきて、それが天然繊維では絹にあたります。そのため合成繊維も常に絹のような細さ・丈夫さ・光沢などを目指して開発されていました。しかし、最近ではそれぞれの繊維の風合いや特徴の違いが好まれるようになっており、一概に絹のような繊維が求められるわけではないといった傾向があります。