
しつけ糸・躾糸
しつけ糸とは、主に縫製の難しい箇所やズレてはいけない部分を仮に止め付けておくための糸のこと。
太く粗めの綿製の糸で甘く撚られているので、引っ張っぱると簡単に引きちぎれる程度の強度になっている。また粗いことで、ポケット位置やダーツ先の位置に糸を通して目印にしておく切躾の際は、簡単に糸が抜けてしまわないようになっている。通常は、服の見えないところに隠れてしまうか、外してしまいます。

特にテーラードジャケットは、接着芯ではなく毛芯を使用するためジャンプミシンという押さえない仮止め用のミシンを使用して、芯が立体に馴染むように留め付けておく。これらも躾の一種で、外から見える部分は仕上げの際に取り除かれている。但し、袖の周りの縫い代部分など裏地との間に入って見えない部分は、そのまま残されている部分がある。




スーツやスリット付きのスカートなどでは稼働する箇所や弱い箇所がズレたり、型崩れすることを防ぐため、消費者に購入されるまで躾糸で止められている。時々、町中でしつけ糸を付けたまま着用されている場合を見かけるため、外して着用するようにしてください。残念ながら、製造段階で躾糸を使用している意図をアパレル販売員も理解していない場合があるので注意いただきたいと思います。
しつけ糸がよくついている箇所
- ジャケットの胸ポケット
- ジャケットの肩
- ジャケットの腰ポケット
- ジャケットの袖開き
- ジャケットのベンツ(ベント)
- ジャケットの袖口の生地ラベル
- スカートのスリット
ジャケットを長持ちさせたいなら、型崩れは大敵です。ジャケットの左右の腰ポケットにモノを 入れてしまうのが、最も型崩れを起こす原因になります。なるべくジャケットの腰ポケットは使わない ことをお勧めします。この部分はのしつけ糸だけは、外さない方がジャケットを長く着るコツですよ。

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fashion&apparel 用語辞典
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