熱可塑性(ねつかそせい)【thermoplasticity】
熱可塑性(ねつかそせい)とは個体が加熱されて軟化し、外力で容易に変形する。それを冷却することによって、そのままの形で固定する性質のこと。この性質で繊維に縮れを付与したり、糸のかさ高加工を行ったりする。また生地の状態では幅を出すためのセット加工を行ったり、製品のために永続的に取れないプリーツ加工を行うことができる。
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熱可塑性は合成繊維だけが持つ特徴的な性質で、この性質によって寸法の安定性が増し、製品のデザイン・耐久性などの様々なメリットに繋がっている。合成繊維にも熱可塑性の安定度に差があり、おおよそポリエステル>ナイロン>アクリルの順で、アセテートは半合成繊維のためさらに落ちる。
逆に熱可塑性がデメリットとなる部分があり、アイロンの温度や時間に注意しなければならない。高温でアイロンを掛けた場合は、アイロンのコテの形状に取れないテカリや溶融に近い現象が起こってしまうので注意が必要である。テカリを起こした場合は、蒸気を当てたり洗濯で薄くなることもあるが、程度によっては修復できないこともある。
代表的な加工例
プリーツ
イッセイ・ミヤケの<PLEATS PLEASE>のシリーズも基本的にはポリエステル100%の生地に、通常は約140℃で行っている工程をイッセイミヤケでは190℃〜197℃の間で調節し、製品にて加工している。
プリーツ工場 → 白石ポリテックス工業株式会社ホームページ
エンボス加工
熱プレスで凹凸を出すエンボス加工も熱可塑性を利用している。
*関連用語
シロセット加工【siroset】
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エンボス加工【embossing finish】
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ヒートセット加工【heat setting】
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