
【メンズも注意】夏服に必須のUVカットについて
暑い夏、ジリジリと照りつける陽射しに気になるのは日焼けですね。女性だけでなく、男性としても気になるのが紫外線(UV)対策ではないでしょうか。適度な日焼けは健康的で素敵ですが、日焼けも過ぎるとシミが増えたり、皮膚の老化を促進し、皮膚ガンの原因になるとも言われています。そこで今回は、紫外線対策とUVカットに関して日焼け止めやアパレル製品の活用に関して解説致します。
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紫外線(Ultraviolet)とは
紫外線(Ultraviolet)とは、目に見える波長の可視光線より短い波長の電磁波で私たちの目で見ることはできません。UV-A~Cまで区分されていて、UV-Cよりさらに短い波長としてはX線やγ線といった高エネルギーの電磁波領域があり、波長が短いほど強く、人体には有害になってきます。地上に届いている太陽光の内、99%はUV-Aという紫外線で0.1%くらいがUV-Bという紫外線といわれています。より人体に有害なUV-Bの多くはオゾン層によって吸収されますが、主に1990年台前半まで使用されていた特定フロンであるCFC(クロロ・フルオロ・カーボン)がオゾン層を破壊してしまったことにより、有害な紫外線がより多く地上に届くことになってしまったのです。

アパレル製品のUVカット機能
1987年のモントリオール議定書、1988には日本でも「オゾン層保護法」が制定され、フロンガス規制が話題になって以降、化粧品やアパレルウェアでのUVカット機能に感心が集まり、アウトドアウェアやスポーツウェアでは特に求められる機能となりました。
生地のUVカット機能
基本的に生地の厚いものや色の濃いもの、つまりは光を通しにくいものには紫外線を防ぐ機能があります。しかし暑い夏にそんな完全防備の服装をするわけにもいきません。薄くても効果があるものが求められます。ポリエステル・ウール・レーヨンは加工等をするまでもなく90%い所の紫外線をカットするという試験結果もあります。特に人体に有害なUV-Bのカット率が高いとも言われていますが、生地としては目の詰まり方によって変わりますので詳しくは個別の試験が必要となります。
UVカット加工
ポリエステルなどの化学繊維に対して、さらにUVカット機能を上げるためには、酸化チタンや特殊セラミックの微粒子を原料に練り込む方法が取られます。無機物によって光をを吸収・反射させることで肌に到達する紫外線量を大きく軽減することができます。光を透過しないということは、「透けにくい」という効果を付加するメリットもあり、「UVカット機能」と共に「透け防止機能」を備えている生地が増えています。綿などの天然素材はには紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系・ベンゾトリアゾール系)をバインダーなどで繊維表面に付着させて紫外線をカットする加工が施されますが、これは原料に練り込む方法と違って、洗濯によって効果が落ちていってしまう欠点があります。

写真の生地は綿55%・ポリエステル45%のワッフル生地です。こちらの生地はUPF30から50+の効果があり、UVカットの原料を練り込んだポリエステル糸と綿部分を後加工でUVカット性能を高めている素材です。生地に関しては他にも、織生地の方が編み生地より遮蔽性が高く、編み生地でも組織が詰まっているほうが遮蔽性が高い。生地の厚い方が、薄い方よりも遮蔽性が高く、色も薄いより濃いほうが遮蔽性が高いという、見た目通り光を通さないほうが効果があるようです。
但し色が濃い程、今度は光を吸収することで赤外線の熱エネルギーに変わって熱くなってしまうので、なかなか悩ましいものです。
色が薄くてもポリエステルにUVカット素材が練り込まれたものが、一番快適に過ごせるかもしれませんね。
UVカットの効果とは
UPFとは
UPF(Ultraviolet Protection Factor )とは、南極オゾンホールの影響を最も受けているオーストリア/ニュージーランドで定められた世界基準の紫外線保護指数で、数値が高いほど効果があり、UPF50+を最高値としています。

裸の状態で15分間の日焼け=UPF1という値と設定しています。
UPF20 | 15分 × 20(UPF値) = 300分 (5時間) |
UPF30 | 15分 × 30(UPF値) = 450分 (7時間30分) |
UPF40 | 15分 × 40(UPF値) = 600分 (10時間) |
UPF50 | 15分 × 50(UPF値) = 750分 (12時間30分) |
UPF50の服を着ていた場合は 15分×50(UPF値)= 750分(12.5時間)で同じくらいの日焼けを起こすということを意味しています。UVカット効果の表記としてはUPF50で十分に効果があり、50以上は全てUPF50+として表記されます。
SPFとは
日焼け止め化粧品に使われているSPF(=Sun Protection Factor)はUV-Bに対する基準です。人は15分~20分間日光に肌を晒した状態で炎症の起こる日焼けをすると言われています。SPFの数値は同じ状態の日焼けになるまで何倍の時間がかかるかを示しています。

SPFは下の表のような基準で、個人別に同じ日焼けをするまでの時間を何倍にできるかという計算をします。
10分で日焼け(炎症)するAさん | 10分 × 50 = 600分(10時間)で日焼け |
20分で日焼け(炎症)するBさん | 20分 × 50 = 1000分(16時間40分)で日焼け |
またPA+という表記はUV-Aに対しての効果のことで+が増えるほど効果が高いことを意味し、PA+~PA++++が最高値となっています。
メンズ専用の日焼け止めもオススメ


UVカット効果の注意点
UVカット効果は、いずれも完全に防げるというものではなく、紫外線を遮蔽して日焼けを抑えるという効果なので、長時間日に当たっていると最終的には同じように日焼けしてしまうということです。日焼け具合を基準にすると、強い陽射しの下にいた場合は、弱い陽射しの下にいた場合より、短い時間で日焼けしてしまうことも意味しています。
陽射しの下のレジャーやスポーツでは、長袖インナーを使うと紫外線を防いで吸汗速乾性もあるのでオススメです。


まとめ
夏に日焼けを気にするなら、服に関してはポリエステルや薄手のウールがオススメ。天然繊維の綿や麻でも色が濃く、光を通しにくいものが良いです。UVカットの表記がなくても一定の効果を見込めますよ。
日焼け止めは効果の高いものは肌への負担が大きいので、通勤・通学・買い物などの日常のお出かけにはSPF35程度。レジャーや屋外スポーツの場合はSPF50以上を使用するように使い分け、さらになるべく服を羽織って肌をカバーすることを併用することをオススメ致します。