アパレル生産管理

アパレル生産のタスク管理とは

アパレル生産のタスク管理とは

先日、ツイッター上でアパレルの生産において「タスク管理をどうされてますか?」と聞かれたということを目にしました。アパレル生産は非常にアナログで属人的ということが言われ、中なかシステマチックに管理できないとお悩みの方も多いと思います。アパレルOEM生産を10年以上続けて、工場での現場経験と縫製工場責任者として経験したことからタスク管理について考えを記事にしたいと思います。

アパレル生産のタスク管理とは

タスク管理とは、行うべき作業・仕事を細分化し、優先順位をつけて効率的に業務を進め、さらにチームで共有できれば理想的ではないでしょうか。目的意識を共有し、スケジュールの調整やトラブルへも早期対処につながるでしょう。

 

タスク管理の目的・メリット

  • 作業の漏れがないかチェックできる
  • セルフマネジメントで、日々の進捗状況をチェックできる
  • チームリーダーが状況を把握して、マネジメントができる
  • トラブルに対して、チームで補完しやすい

 

 

上の図は、日本国内生産でのアパレル生産におけるタスク管理すべきイメージを図式化しました。海外生産になると、現地調達素材や資材も多く、二次加工も工場に併設していることがありますので、タスクを共有すべきチームは状況によって変わると思います。

 

縫製工場でタスク管理をするメリットがあるのか?

もちろん縫製工場でもタスク管理で、生産状況を共有することのメリットもあるでしょう。工場内で共有しなければならないスケジュールは、裁断・縫製・仕上げ及び検品・検針くらいです。縫製に関しての工程分析を行っての効率的作業は、縫製場のみで把握できれば十分です。おまけに、そのような作業進捗をアパレル企業やメーカーに報告しても、理解できないことの方が多いのではないでしょうか。ただし、検針日報や折れ針管理などの内部資料を怠ると、手を抜くことが工場に蔓延しかねないので厳重に注意が必要です。

 

縫製工場からメーカーに共有すべきタスク管理は3つ

1.裁断(裁断報告書)

裁断予定と裁断報告は必須項目です。生産数に対して増減産のチェックや、予定要尺に対して問題ない裁断結果かどうかを確認しなければなりません。何か数量に異常があれば、トラブルの原因を探って行く必要があります。

  1. 生地発注mが合っているのか?
  2. 要尺計算が合っているのか?
  3. 裁断時のマーキングが合っているのか?
  4. 生地入荷mが合っていたのか?
  5. 裁断残しの生地が無いか?
  6. 生地キズが多くてロスになっていないか?
  7. そもそも裁断した生地に誤りはないか? 等

2.縫製(縫製日報)

縫日々の縫製作業日報は工場内で把握しておき、基本的には縫製仕上がり枚数の管理で十分でしょう。仕上がり数量によってこちらもトラブルの確認を行う必要があります。

  1. ロス・B品が何枚出ているのか?
  2. B品は修理可能か?
  3. 資材・パーツが不足しているのではないか?
  4. 縫製が完了していないロットはないか? 等

 

3.検品・検針(検品・検針報告書)

検品・検針の最終報告によって、生産予定枚数に対して問題ないかということがチェックできます。最終でB品となってしまった数量と照らし合わせて裁断報告と縫製日報からどこでロスとなってしまったか、場合によっては補充生産ができるのかどうかも確認しなければなりません。

  1. 生産予定数を満たしているか?
  2. 裁断報告数から、B品数と合わせて問題ないか?
  3. 再度、生産残しが無いかを確認 等

メーカー側から縫製工場に共有すべきタスク管理の重要性

 

実はメーカー側から共有すべきタスク管理の方が、非常に重要だと考えています。先の図で表したチームは、本来Eとして機能すべきなのですが、AとBが分断している場合が非常に多いです。縫製工場のタスクを見ておわかりの方も多いと思いますが、材料・資材などの準備があってこそのタスク管理であり、工場のタスクは材料が入荷しない限り進むことは無いのです。仕様書・パターン・生地・資材、そのスケジュールに続いて、縫製工場のタスクが存在しています。本来はEのチームとしてタスク管理すべきことの方が、重要ではないでしょうか。

 

メーカーから縫製工場と共有すべきタスク管理

1.仕様書とパターンの予定

サンプルであっても、本生産であっても、何型・何着の生産があるのかを知ることは準備においても重要です。更に投入予定を把握できれば、現状の生産スケジュールから、前もって残業をしてでも完了しておくなどの対処もできるでしょう。

 

2.生地・資材の入荷予定

仕様書やパターンが準備できていても、資材が入らなければ動きが取れません。そのスケジュールを連絡することで、縫製工場は品番ごとの作業優先順位が決められるのです。突然、連絡もなしに生地が入荷してすぐ裁断して欲しいなどという連絡は、タスク管理を無視したことだということがお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

3.サンプルチェック・生地検査や、品質ネームなどの予定

メーカーには、縫製現場には伝わにくい仕事もあります。サンプルチェックや生地検査・色確認などがそれに当たるのではないでしょうか?検査結果が出なければ、品質ネームを発行できなかったり、本生産に進めないことがあります。それによって生地が入荷しているにも関わらず、本生産進行できないことや結果次第では生地返品ということも何度も経験があります。全てを縫製工場とタスク共有する必要はありませんが、どれくらいの時間が掛かって、いつ頃進行できるはずという情報があれば、工場の優先順位や作業状況を調整することも可能なのです。

 

4.二次加工予定チェック

こちらは国内生産限定かもしれません。生産メーカーが二次加工まで、提案・管理することもありますが、多くはアパレル会社さんのデザイナー指定となるケースが増えています。スケジュール管理はもちろん生産管理が行って問題ないのですが、アパレルと二次加工業者の関係が強いため、混雑すると、アパレルとの直接やり取りで裁断投入よりも勝手に納期順に並べ替えられた経験があります。こちらもタスク管理ができないことで、縫製工場としては縫製予定が大きく狂ってしまうことになります。この点は、非常に難しい問題です。原材料である生地が納期の順番に上がって来るわけではないということです。春物の生産でオリジナルの生地を発注すると、カットソーでは3製品納期3月以降の無地のシンプルな鹿の子等が最初に上がって、1月2月の中衣料用のジャージやジャカードの方が遅く上ってきてしまいます。工場としては、まずは生産できるものから取り掛かることになるのですが、納期の早い品番と途中で入れ替える必要があります。その際は、プリント・刺繍工場さんにも早めの対処をお願いできるようなスケジュールをしっかり共有しておくことが生産管理の腕の見せ所でもあります。

 

アパレル生産におけるタスク管理の考え方

アパレルはシステムに疎く、その場しのぎの対処をしていたことが問題となっています。「タスク管理をする」という考えは重要ではありますが、何故?何のためにタスク管理をし、何が重要なのかを考える必要があると思います。相手にタスク管理を求めるのではなく、相手とチームとなって生産をスムーズにするためのタスク管理であれば、アパレルの生産管理が自らの仕事のタスク管理を行い、縫製工場さんのタスク管理を求めるべきではないでしょうか。

私も何も自分が完璧にスケジュール管理できていたわけでは全くありません。ただ、生地納期が遅れる場合は遅れると連絡すること、アフターフォローとして確実な生地納期を連絡して、いつまでに裁断して欲しいとコミュにケーションを取ること。そんな基本ができてこそのタスク管理です。もし、「副資材は遅れますが、後から付けてくれたら大丈夫です。」なんて自分の都合だけで気楽に言ってしまうレベルではタスク管理なんてとても求められるレベルではないでしょう。アパレルの生産は大きなチームだと思います。

 

 

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  • この記事を書いた人

ni-no

長年アパレル業界で働いて、スーツ工場勤務から生産管理やカットソー縫製工場の責任者をしてきました。少しでもファッションやアパレル業界のためになるように、トラブル対処の経験やノウハウをメインにまとめています。 ついでに仕事合間の趣味に関しても記事にしています。 ウェブサイト作成と運営 ウェブライティング アパレル製品企画 アパレルOEM生産 承っております。 お気軽にお問い合わせ下さい。

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