
アパレル業界がマニュアルを導入すべきポイント
アパレルの企業ではマニュアルを使って社員を教育をしているケースが少ないように思います。多くの人が、「人の仕事してるのを見て学んでいくものだ」とか「マニュアル通りに仕事はできないから必要ない」など言われた経験がある人も多いのではないでしょうか。
しかし最近ではアパレル業界での問題として業務が属人化していることを頻繁に聞くようになりました。しかも研修などもどんどん減っていき、アパレル企業で仕事をしながらも服の生産に関しての知識が身に付いていかないといったことも問題となっているようです。そこでこれまでマニュアルに関して敬遠していた企業もマニュアルを導入して社員教育していくべきポイントについて解説していきたいと思います。
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マニュアルの役割とは

まず年配の方にはマニュアルと聞いただけで、「マニュアル通りに仕事ができるわけあるか!」っと拒絶反応を示す方も多いのが事実。そこでそもそもマニュアルの役割が何なのかということを理解しないといけないと思います。マニュアルとは、従業員全員が同じレベルで業務を遂行し、一定の水準で結果を出すために業務の手順やルールなどをまとめたものです。マニュアル通りにやれば必ずしも仕事がすべて上手くいくといった単純なことではないが、仕事で求められるべき最低基準については社員全員に周知・共有することができるのは大きなメリットになります。現在のアパレル業界では、基礎マニュアルもなく現場任せのOJT(On the Job Training)に頼りきっている場合が多いです。こうなると、教育者である上司のレベルや教え方もマチマチとなり、最低限の業務レベルもクリアできないまま仕事進める社員が増える可能性があります。(そもそも最低基準が明確でないことが問題)
マニュアルがなくて起こっている問題点
「マニュアルなどなくてもこれまでも仕事ができているから今更必要ない!」と考える方もおられるでしょう。マニュアルのイメージには、その通りに仕事を進るだけで業務が成立する解説書と考えておられるかもしれません。しかし実際にマニュアルを作っても、それだけで仕事ができるようになるかというとやはりそうではありません。まずは、マニュアルがないことで起こっている問題とはアパレル業界で仕事をしていて、マニュアルがないことで起こっている問題点やトラブルについて、これまでの経験を例にして解説していきます。
仕様書のレベルが落ちていく

そもそもデザイナーや生産管理の個人の能力によって仕様書のレベルが全くのバラバラだということはアパレル業界にいれば感じることは多いのではないでしょうか。字が汚い・字が小さすぎて読めないといった基本的なことから挙げたらきりがないのですが、仕様書で必要とされる情報をキッチリ書くデザイナーもいれば、フリーハンドのようなハンガーイラストだけといった仕様書も見たことがあります。しかも同じアパレル会社の中でもブランドによっても個人によってもバラバラだったりします。過去には仕様書も上司によるチェックが入り、修正させられたといった時代があったのかもしれません。しかしお客さんの仕様書を下手だとか、汚いとか言うわけにもいかず、おそらく社内で注意する人もいなくなってしまったのではないでしょうか。基準がないということは、言いかえれば【なんでもアリ】に落ちてしまう可能性があるのです。
またデザイナーも転職される方が増えており、転職先の企業の仕様書ルールを無視して、以前の会社でやっていた仕様書の書き方で作成する方もおられました。これは社内ルールがないから起こる問題で、なし崩しで仕様書のレベルが落ちていく恐れがあります。実際のところ、他社からきたデザイナーが非常に簡易な仕様書でメーカーに依頼したことをきっかけに、もともとのデザイナーも【あの人がこんなに簡単な仕様書でいいなら自分も】っといった具合に楽な方に流れてしまって、もともとその会社にあった社内マニュアルさえ機能しなくなっていく場合がありました。マニュアルという最低限の仕様書のルールがあり、それを守るということがされなければ仕様書のレベルは落ちていく一方になっていく可能性があります。
業務レベルが落ちていく
マニュアルがあると最低の業務基準を明確にすることができます。しかしマニュアルもないまま独自の方法だけで長年仕事をしていると、何となくこなしてきた業務、つまり【今までの方法】から改善ができなくなってしまいます。それどころか効率化と勘違いをして手抜きをしてしまうことにも繋がります。なぜなら自分がこなすべき最低レベルの基準すらないため、外注さんに頼り切ってしまうということが現実に起こっています。それは大きなトラブルを引き起こし、それを単に依頼先の外注さんの責任と考えてしまえば、業務が改善されることはなくなってしまいます。
本来は社内に基準があり、それをクリアできないなら指導を受けることもあるでしょうし、業務を改善するために勉強すべきです。基準がないままレベルの低い業務をしていたとしても、お客さんからはなかなか注意や改善の要望をすることが難しいですし、社内でも何をどう改善すればいいのかも把握できない可能性があります。
属人化がドンドン進む

アパレル業界でよく聞くのが【会社ではなく個人商店】になっているということ。これがまさに属人化しているということで、社内のルールが基本として明文化されていないことで起こっています。そのため各営業がそれぞれに書類データを作り、それぞれが【営業】-【生産管理】の業務の守備範囲として考えていることに差が出てきます。自分の業務はここまで、自分の業務はこれで良い、そういった思い込みによって個人個人の方法がズレてしまったものを、マニュアルという基本があれば軌道修正することができます。
マニュアルを作るには

マニュアルを作るにはどうすればいいのか?何も難しく考えなくてはいけないことではないと思います。まずは現在社内で決まっていることから、文章で明文化していけばいいと思います。そもそもの問題は、「これくらいはできて当然」「これくらい知っていて当然」「これくらいは分かっているはず」といった勝手な思い込みで組織が動いていることに問題があります。その思い込みは個人個人で大きな差が必ず生じています。その思い込みの差をなるべく小さくするために言語化して共有することがとても大切だと思います。最初は社内の明確なルールである、お金の締め日・支払い日などからでもルールを明確にしていってもいいでしょう。そのように言語にする。記録することをクセつけていくことが業務の改善に繋がります。シーズンのデータが次のシーズンの参考になるように、またどのようなトラブルがありどのような対処をしたかということも言語化して記録することで、トラブル回避のマニュアルの一つになります。
ブログで言語化して残していくことからもマニュアルになる

アパレル業界を約15年ほど経験して感じていたことの一つに、長年継続してきたはずの会社なのにノウハウやデータといった蓄積がないということがありました。そのため過去の良かった点も悪かった点も検討することなく、改善していくことがなかなかできていないという問題でした。トラブルの経験も共有できていなかったので、本来は防げたはずのトラブルが何度も起こっているということにも悩まされました。改善するためには現状を把握することから始めないといけないわけですが、そもそも現状の業務に対しての最低基準がないということでは改善しなければならないという意識すら持たない人も多いのです。そこで会社にマニュアル作成を提案したのですが、、、
「マニュアル作った方が良くないですか?」
「マニュアルが無いと何もできないのか? これだから今時のヤツは、」
「自分の時代は誰にも教えてもらっていない。仕事は見て覚えるものだ。」
「仕事はマニュアル通りにいかないから、作っても意味がない。」
「マニュアルで仕事をするのは、機械みたいなヤツだ。」
こんな感じで、以前所属した会社では残念ながら実現できませんでした。ですがこのようにサイトを作りブログを書くことで、言語化することの大切さや自身の経験が、他の人の役に立つことがあると改めて実感しています。アパレル業界はなかなか古い考えが抜けないという印象もありますが、若い人に経験やノウハウを残すという意味でもマニュアルを作っておく価値はあるのではないでしょうか
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