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センタープレスはなぜ重要か?スラックスパンツのアイロンのコツ

センタープレスはなぜ重要か?スラックスパンツのアイロンのコツ

家庭で簡単にアイロンするためのスチーマーや手軽に使えるアイロンは数多く販売されています。またビジネスホテルなどでも見かけるパンツのセンターのプレスだけをするためのプレッサーなども多数販売されています。クリーニングに出すともちろんしっかりとセンタープレスをかけてくれるのですが、家庭でするには多少面倒に感じる方も多いのではないかと思います。ついつい手を抜いてしまいがちなスラックスパンツの見栄えに、なぜセンタープレスが重要なのか?

ここからは、スラックスパンツのアイロンのコツや重要性を、分かり易く解説したいと思います。

 

スラックスパンツの構造から解説

上の図はツータックパンツの大まかなパターンです。本来は他にもポケットやベルトなどの細かなパーツがあるのですが、それは今回は省略しています。、また縫製するために必要な縫い代に関しても入れてません。イメージが湧きますでしょうか前後パンツの中心に入っている線が、センターのクリーズ線(折り線)となる予定の線です。

既製服の場合は、おそらくパーツの段階でアイロンでこの線を入れてしまいます。ですが、立体を作っていくうちにこの線は微妙にずれていってしまいます。オーダースーツのテーラーでは、立体的で股ぐりにフィットするように「クセ取り」という職人さんの手によるアイロン工程が入ります。

 

前後のパンツをそれぞれ、ダーツ部分をたたんで立体に成形している過程です。平面では表現しきれませんが、点線がおおよその出来上がりイメージ線です。なんとなくですが、ウエストからヒップのイメージができてきてると思います。

 

 

タックの入ったパンツは、たたんでいる部分がゆとりとなり、歩くさいの動きを邪魔しないように設計されています。ただし、ゆとりとは体にフィットしない余分な生地となりますので、そのままではセンターにきっちりと折り目を入れなければ横方向に広がり、スマートなスタイルに見えません。上の図のようにクリーズ線は円形をアーモンド型にすることで、正面から見たときにとてもすっきりと見える効果があるので、パンツスタイルにはとても重要な要素になります。

 

アイロンの手順

  • 前後共にパンツの中心に入れ、折り目を付けて筒状のパンツをアーモンド型にすることで正面から見たときに足を細く、すっきりと見せることができます。
  • プリーツと混同されることがありますが、プリーツ=pleat(ひだ)の複数形のことですので、左右中心に1本ずつ入れた折り目に関しては、正確には意味が違ってきます。ただ、ひだ=布などに付けた細長い折り目と解説されてます。ややこしいですね・・・

アイロン台の馬を使用して、腰からおしり周りのシワを取っていきます。立体感のある部分ですので、丸みは潰さないように注意してください。ポケット部分や前の見返し・持ち出しの部分は、生地の厚みの差が大きい部分なので、アタリに注意してください。写真のようなアイロン台の場合は吹上げが有効です。ない場合は、中にタオルのような厚手の生地をひいたり、上から当て布を当てながらアイロンした方がいいでしょう。

左右のパンツは、片側ずつの内側からアイロンを掛けます。左の状態は、股下線が湾曲にカーブしてしまっています。これでは、パンツが真下にきれいに落ちない状態ですのでアイロンを当てる前の置き方から整えていきます。

 

左の写真のように、股下線が真っすぐになることを意識してください。この時に、裏側の脇線とできるだけ重なることも重要です。裾は股下線に対して直角になるとようにして下さい。

アイロンは前後のクリーズ線を押さえつつ、下から上向きに行ってください。写真のように、少しずつタブリが出てきますので、その時はおしり周りにそのタブリが来るように、押さえこんでいきます。片側の内股が終わったら、もう一方の内股を同じようにアイロンしてください。

 

内股側のアイロンの後に、外側にシワが入っていたら、アイロンで軽く整えて下さい。家庭でアイロンする場合は、おしりや腰回りの立体部分は、ハンガーに吊った状態で、最近よくあるハンディタイプのスチームアイロンを使用するのも便利です。

オーダーメイドのスラックスの場合は、「くせ取り」と言って、裁断パーツの状態で立体を意識したアイロンを先に行います。大量生産の既製品の場合は簡略化し、最終のアイロンで立体に近づけるようにします。上の図でも分かる通り、裾も横から見てまっすぐに縫われているわけでもありません。また、内股線も脇線も異なったカーブで、真っすぐでもありません。

スラックスパンツは前から見たとき、横から見たとき、それぞれにきれいに見えるように設計されていますが、縫製だけで完成するわけではなく、アイロンも合わさって初めて完成する。ということが、イメージできるのではないでしょうか。アイロンをきっちり当てたパンツを見ると、人が真っすぐ立って履いた時に横から見たイメージと、ダーツがここにあるからゆとりができて膝の曲げ伸ばしがしやすいのだなという機能性とが、とっても分かりやすいですね。特にビジネスの場などでは、きっちりとプレスのされたスラックスパンツで清潔感や信頼感のあるイメージで臨まれることをおすすめします。

 

おすすめのアイロンの選びのポイント

アイロン選びは注水量と、特に蒸気の強さがポイント。センター線の入り方や、シワの取れ方が違います。

 

ハンディタイプのスチームアイロンを使用するなら、センタープレスが消えないように裾を引っ張りながらかけるのがオススメ

 

ズボンプレッサーを使用する際は、股下までの位置に折り目が入るように、内股側などにシワが入らないように注意

 

アイロン台は丸みのある部分にもアイロンを当てやすい形状がおすすめです。


 

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ni-no

長年アパレル業界で働いて、スーツ工場勤務から生産管理やカットソー縫製工場の責任者をしてきました。ノウハウの蓄積が少ないアパレル業界の仕事に関してまとめていきます。 【仕事】 ウェブサイト作成と運営 ウェブライティング アパレル製品企画 アパレルOEM生産 承っております。 お気軽にお問い合わせ下さい。 【趣味】 ボルダリング  頭と体を鍛える最強の趣味だと思ってます!!

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