アパレルデザイナーに必要なハンガーイラストの書き方【ジャケット】
アパレルデザイナー(ファッションデザイナー)の実際のプロダクトに必要なスキルとは何だと思いますか?素材選び?色彩感覚?売れるデザインをするセンス?売れるかどうかは、ブランドのテーマやMD設計にも関わってきますので、ワタシはデザイナーという職業は、まずはまだ具体的に作られていないものを正確に具体的にイメージする力が必要だと思います。デザイナーが具体的にイメージすることで、素材・パターン・縫製の製造過程が上手く機能していくものです。ここではジャケットのハンガーイラストを例に、デザイナーが具体的に製品を理解するスキルについて解説していきたいと思います。
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ジャケットの立体を意識してハンガーイラストを描くには
アパレルデザインの現場ではアートのようなファッションイラストではなく、製品をきちんと具現化するためのハンガーイラストを書くスキルが必要です。ハンガーイラストはその名の通り、ハンガーに掛けたような状態のイラストです。しかし、製品である服は立体構造を想定して書く必要があります。ジャケットは特に細部まで立体構造が考えられて姿勢良く直立して立った時に美しい構造と、必要最低限の動きをやすさを追求したデザインから形つくられています。それをカジュアルにアレンジしたり、スポーツ的なデザインなど実はすごく繊細です。
ジャケットハンガーイラストのバリエーション
カジュアルなイメージのするジャケットのハンガーイラストです。ウエストは結構絞り気味で、細身で若い方に向いたデザイン。袖も細めに設定されて、袖口をステッチ処理されているのもカジュアルな印象が見て取れます。
スポーツタイプのジャケットで、ハンガーに掛けた状態よりも平置きしているジャケットのような印象。袖は横向きで腕が上げやすくなっているところもスポーツっぽいイメージ。また胸と両脇のパッチポケット、AHのステッチや袖口と裾のステッチからも裏無し仕立てのジャケットということが分かる。
スーツ工場で仕事をしていた時の仕様書には、このようにジャケットがハンガーに掛けられている状態のイラストが描かれえていました。袖は前に振られて、前身頃のAHは前側に大きくくられ、後ろ身頃は直線的なAH。人が直立して、自然に腕を下ろした時の立体構造がよく現れています。肩先も少し丸みがあり、薄いパッドや裄わたを入れてふんわりと落ちる袖するようになっている。また、クラシックなジャケットはお尻がしっかり隠れるような丈になっているので、袖丈との差からも丈のバランスがイメージできるようになっています。
イラストイメージがパターンに及ぼす影響
ハンガーイラストの違いは、すなはちデザイナーが具現化したいと思っている製品の違いとなります。イラストの違いは製品の形の良し悪しや、高級品と低価格商品の違いというわけではありません。要は製品を具現化する表現として正しいか?立体構造などを理解して描いているのかが重要です。
以前、スポーツタイプジャケットのようなデザインの仕様書で(仕様書は使いまわしされていた)仕事の依頼を受けた時に、出来上がったサンプルに対して「なぜ、ハンガーに掛けた時にキレイに袖が落ちないのか?」「もっと腕を下ろした時にキレイにして欲しい。」という注意を受けました。もちろんパターンを作る際にはイラストの情報だけでなく、バスト・ウエスト・着丈・袖丈など、様々な規格情報も書いています。しかし、製品イメージはあくまでそのイラストだったのでパタンナーさんはそのイメージのもとに型紙を作成していたのです。規格サイズは項目が多くなればなるほど構造を限定的にしますが、大まかになれば必ずしも製品の形に直結しません。
着丈 | 70 |
バスト | 98 |
ウエスト | 89 |
裾周り | 102 |
袖巾 | 20 |
袖丈 | 59.5 |
袖口巾 | 13.5 |
ラペル巾 | 7 |
後ろ衿巾 | 4.5 |
このくらいの規格サイズ設定では、数値だけ当てはめてしまえば構造としてはいくらでもバリエーションがあります。たまに海外で格安でパターンを引いてもらったら形がおかしな製品になったという話を聞きますが、おそらく数値のみ当てはめているのでしょう。どうすれば着心地がいい服になるのか、どうすれば綺麗な構造になるのかという理解が不足している可能性があります。
また、デザイナーにとっても細かすぎる数値設定をすることは非常に困難です。ジャケット裾のラウンドの雰囲気、フラップポケットの小丸、ボタン位置に対してのポケットの高さ、様々なイメージを具体的な製品として表現しておけばパタンナーさんがバランスを取ってくれるところも大いにあります。
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アパレルデザイナーが持つべきハンガーイラストのスキルとは
現在は服は簡単に作れるイメージを持たれ、スピードやコストばかりに焦点が当たりがちです。商品を作るときに手を抜いてしまうと、自分のイメージと違ったということが起こる可能性が高まります。それはパタンナーのせいでも、縫製工場のせいとも言えません。アパレルデザイナーは、まだ作られていない商品を具現化する大変な仕事だと思います。まだ見ぬ素晴らしい商品をデザイナー自身が具体的な完成イメージを正確に表現することから始まり、パターンや縫製を経て良い商品がたくさん作られていくのだと思います。
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