アパレルデザイナー・生産管理必見 コストが掛かるポイント 【裁断】
アパレル製品を生産する場合、もしくはファッションとして購入際に何故こんなに値段が高いのだろうと不思議に思うことも多いのではないかと思います。今回は、どんな部分にコストが掛かっているのか、どんなデザインが意外に高くなってしまうのかを解説していきます。
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アパレル製品のコストとは?
アパレル製品のコストは大まかに二つの要素でできています。それは材料と縫製に掛かるコストです。もちろん、材料にも製造に掛かるコストがあるのですが、それは別の機会に記事にしていきたいと思います。
材料
主な主材料となる生地や衿やカフスに使用される接着芯、それからボタンやファスナーなどの資材があります。
生地・接着芯
生地のコストは、使用した糸の重量。糸に紡績する際の工程や染色、生地に施すプリントや起毛や後加工等、様々な要素を加えたものが生地のコストになります。そして1mあたりの値段で表示されています。 ¥○○○/mという表示の仕方です。アパレル製品のコストを計算する時には、その生地がどのくらいの巾で作れられているかによって、製品のパターン(型紙)を照らし合わせることで、1着あたり何m必要か?を計算することで割り出します。
生地 A生地 巾120cm ¥800/m 1着あたり1.5m必要
800 × 1.5 = ¥1200/着
生地 B生地 巾165cm ¥1200/m 1着あたり0.8m必要
1200 × 0.8 = ¥960/着
巾が広ければ、mでの単価は高くても1着あたりの必要mが変わってきます。生地巾とm単価が大きな要素になります。
接着芯も生地と同じように1着あたりの必要mを計算します。しかし接着芯は使用箇所も少なく、幅のバリエーションも生地ほど多くはありません。
資材
資材に関しては、材質や長さ・大きさ、数量が主にコストの要因となります。プラスチック樹脂系の資材は比較的安価なことが多く、天然貝やス牛の角といった希少な素材のボタンや、金属素材は高くなる傾向があります。
資材は使用数やファスナー等の長さはもちろん、大きさにも比例して価格が上がります。
fashion&apparel 用語辞典
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縫製加工賃
縫製加工に関しては、生産工程の手間賃、すなわち1着に必要な生産にかかる時間がコストになります。縫製工場での主な作業工程は、裁断・縫製・仕上げ/検品という3つの部署に分けられることが多いいです。
裁断
裁断に関しては、生地の種類。無地の生地および、無地のように裁断できる柄か、ボーダーやチェックのように柄を合わせないといけない生地で大きく違う。またデザイン企画によって、どれだけの数のパーツに裁断しないといけないかも大きな要素となる。
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縫製
縫製に関しては、デザインが大きく関わってくる。詳細は別の記事にしたいと思いますが、例えばポケットでもパッチポケットは安く、玉縁ポケットやスラッシュポケット、フラップ(雨蓋)がつくとコストがアップしていく。つまり、手間・時間に比例して工賃は高くなっていく。
また、同じポケットであってもポケットの形や取り付ける場所によってもコストが変動する場合がある。
縫製としてはそもそも時間が掛かってしまうデザイン仕様であるか?そしてそのデザインが縫いにくい箇所に付けないといけないか?工程の流れをスムーズに進行できないようなデザインはどうしても時間が掛かってしまうので、見た目からはさほど手間が掛からなさそうなデザインでもコストが掛かってしまうケースがあります。
仕上げ・検品
アイロン
仕上げは主にアイロン作業から、下げ札を取り付けたり、たたみ作業、そして製品をチェックして最終出荷前に検針器にかける作業までを指します。縫製工場で取り扱っているアイテムによってアイロン作業も変わってきます。Tシャツやポロシャツのように、平らにアイロンできる商品はあまり時間がかかりません。しかしレディースのようにふっくらと仕上げたい製品や、ジャケットなどの立体的な製品はアイロン作業に機械を用いたり、馬と呼ばれる袖を通したり、肩の形状にアイロンできる台を用います。やはりデザインが複雑な商品は、アイロンにも時間が掛かります。
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下げ札付け
下げ札の取り付けも仕上げ時間を左右します。ロックスという紐状の取り付け具を使用したり、安全ピンを使用しする場合もあります。
たたみ作業
たたみ作業は、袋に合わせた形状にたたむので時間的な差はさほど大きくありません。ただしカッターシャツのように、台衿の内側にキーパーという型崩れ防止のアイテムを入れることがあります。多いものでは台衿キーパー、衿の内側に入れるキーパー、衿台紙、たたんだ部分を固定するピンを使うこともあります。これらは全て手作業で、尚且つサイズによって調整をしないといけない場合がもあります。使用数が多いことで時間が掛かってしまうことがコストのアップになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?アパレル商品は、今後さらにクイックに消費者に届ける対応が求められます。クイックに対応するということは作業時間をなるべく少なくすることと直結し、作業時間を減らすことイコールすなわちコストを減らすこととなります。
かけるべきコストをかけなければ良い商品をユーザーにお届けすることはできないでしょう。しかし、不必要な作業を減らし効率化することを縫製工場と上手く連携することで、納期の短縮とコストカットの両方が見えてくると思います。
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