小ロット生産でもアパレル縫製工場と良い関係を築くためには
新規ブランドの立ち上げや小ロット縫製工場に生産を依頼すること。日本の縫製工場の減少でどちらも厳しくなってきています。縫製工場にコンタクトを取っても、断られてしまうケースが多いです。しかし小ロット生産が全然できていないかというと、そんなことはありません。
では、どんな依頼なら工場は受け入れてくれて、どんな依頼なら断られてしまうのか?縫製工場さんをビジネスパートナーとして考えたときに、どうすれば信頼関係を築きやすいかということを解説していきます。
こんな人におすすめ
新規ブランドで小ロットを工場さんに依頼したい |
コストや数量で縫製工場さんと折り合いがつかない |
縫製工場に問い合わせたが断られてしまう |
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ブランドと縫製工場で長く付き合いができるビジネスパートナーになるには
製品の生産を依頼する側・受注する側の両方にメリットがあるからこそ、ビジネスパートナーとして長く付き合っていくことが成立します。その工場に依頼するメリットがない場合は、ブランドは工場への依頼はやめるでしょうし、逆に縫製工場は依頼を断ることになるでしょう。
では、どうすれば良いビジネスパートナーになれるかというと、相手のメリットも考えるということです。自分だけのメリットのみを追求する相手とは、ビジネス取引をしていくことは難しいでしょう。そんな関係性では無理にお付き合いすることはないのです。
新規ブランドにとってメリットのある工場
ブランド側の思惑としては、安く製品を作ってなるべくお手頃に感じる価格でお客さんに提供したい。利益を残して次の製品開発にも資金を使えるようなサイクルを作って回していきたいところです。また新規でアパレルブランドを立ち上げようという時には、様々な初期コストが掛かってしまうので製品の加工賃を抑えたいというのは非常によく分かります。
そして、これからスタートして認知を広げようという新ブランドは最初は小ロット、極小ロットの発注となってしまうでしょう。さらに認知・集客・販売など他に仕事が多いため、商品に関してはお任せしたいということも理解できます。
しかし工場側からすると、まだ信頼関係のない相手から仕事を受けることは、まずリスクの方を感じてしまいがちです。
品質が良い | 日本の縫製工場で作って、高クオリティをアピールしたい |
工賃が安い | コストを抑えて利益幅を確保したい |
小ロットでも作れる | 在庫リスクを減らしたい |
短納期で作れる | 市場動向も見ながら、短サイクルで販売までつなげたい |
面倒な業務をお任せしたい | 販売に繋がる仕事に時間を割きたい |
複雑なデザインでも作れる | こだわったデザインを売りにしたい |
縫製工場にとってメリットのある仕事とは
縫製工場としては、ビジネスでの売上・利益を最大化させていくことが会社の存続を考えた上でもとても重要です。縫製工場にとって売上を増やすならば、シンプルに数量×単価を増やさなければなりません。ならばどのような取引相手が望ましいか?ということは明確になると思います。
「そんな理想的な取引先があるわけない!」とは分かっていますが、それでも仕事の依頼を受ける理由はどこか一つでも依頼を受けるメリットを感じているからです。明確に基準は無くても頭の中で計算し、デメリットの方が大きいと感じる相手ならば、当然依頼は受けないでしょう。
工賃が高い | 売上が増える |
数量が多い | 作業効率が上がり、品質も安定しやすい |
納期に余裕がある | 工場のスケジュールをコントロールしやすい |
やり取りがスムーズ | 作業を止めることなく仕事をしやすい |
安定・継続して依頼がある | 仕事のスケジュール 売上予測が立ちやすい |
信頼できる相手 | 支払いの安心感やトラブル解決に協力的かどうか |
縫製工場が小ロット生産を受けている裏側
縫製工場が小ロット生産を受けているケースもありますが、そこには小ロットを受けている理由があるからです。やはり何かメリットに感じることや思惑がなければ仕事は受けないでしょう。
縫製工場にはメールで新規生産の問い合わせがよくありますが、多くのケースでは【何もメリットがない】と感じられる依頼が多く、メールに返信もしないことになってしまっています。
1・別の数量の多いブランドの生産を狙っている |
2・メーカーが他の品番と合わせて依頼してきたから |
3・納期に余裕があり、空いたスケジュールのすき間で生産ができるから |
4・長い付き合いがある取引先からのお願いだから |
新規ブランド小ロット生産で工場に依頼するためには
新規ブランド・小ロット生産の場合、その時点で縫製工場さんが感じる仕事のメリットはほぼありません。
多くの工場さんにとって本来は新しくファッション業界を盛り上げてくれるような新規プレイヤーは応援したいと考えています。数量・売上の部分では仕方ないと考えてくれたとして、他に提供できるメリットはあるかと考えてみましょう。
できる限り早めに生産の準備をして、生産のやり取りは即レスすることを心掛ける。信頼できる相手だなと感じれば、それだけでも印象は大きく変わります。新規ブランドの生産を担ってくれるということは、言わば期待を込めた先行投資という気持ちが強いということです。
精神論に聞こえるかもしれませんが、小さなブランドのわずかな生産に取り組むということは、いわばブランドの成長を共に進めるパートナーとして応援してくれるような立ち位置です。いつか発注数を増やして恩返しをする。そのために今できることは泥臭くて地道なことが多いということを頭の中に入れていただきたいと思います。
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