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アパレル未経験者が見落としがちな生産トラブル【生地編】

アパレル未経験者が見落としがちな生産トラブル【生地編】

アパレル未経験者のほとんどの方は市場に流通しているA品しか見ていないので、生産するうえでどのようなトラブルが起こっているか知らないと思います。そこで製品にする際に縫製工場や二次加工場にも注意してほしいことなど、アパレル生産管理をするときに見落としがちでトラブルとして起こりやすいポイントを解説していきます。これはあくまでアパレル製品を作る上での注意点なので、テキスタイルメーカーの方はまた別の視点があると思います。

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生地トラブルの注意ポイント

1.糸のつなぎ目

糸は永久に繋がっているわけではありません。おそらく繋げることはできるのでしょうが工業的に使いやすいように、また運搬しやすいなどの理由で一定の距離でカットされています。そのため、織生地でも編生地でも糸のつなぎ目が必ず存在します。全く目立たないようになっていることもありますが、結び目が表側に見えることもあります。基本的には裏側にあるならばA品と捉えることが多いが、アパレル側としてはB品とすることもある。絶対に存在する部分なので当然生地メーカーとしてはA反。基本的にあまり目立った部分ではないので、裁断や縫製の際に発見することも難しい。

 

2.織キズ・編みキズ

生地は一見すると均一に織られたり編まれたりしているようでも中にはキズとなる部分が出てしまうことがある。要因としてはいくつもあるが、糸の太さにムラが出ていた場合や、織り、編みの際にホコリが混入したり、強度が弱かった部分が切れてしまったりと様々。また編み機では、糸調子の若干の差で編み目が飛んでしまうこともあり、その部分は一目解けてしまったような見た目になる。大きな部分は生地メーカーの検反で発見されるが、発見できずにスルーされてしまうことも多々ある。もちろん裁断・縫製でも気が付かないことも多いが、最終製品を作る工場といしては、このような生地不良もあるということを従業員に周知しておくことで発見できる可能性は高まる。

3.飛び込み・異原糸の混入

異原糸とは、その生地の組成に関係のない繊維が混ざってしまうこと。糸の際に混入してしまったのか、織り・編みの工程で工場内のホコリとして巻き込んでしまったのか、発生源を特定するのが難しい。非常に細かいので、生地の検反では発見されないことが多い。しかし、製品として出荷された場合は工場の責任となってしまいかねないので注意が必要。

注意ポイント

以前、オーガニックコットンを使用した際に、生成りの生地にピンクやブルーのナイロンのような繊維が多く混入するというトラブルがあった。原因の特定は難しいが、綿を保管しておく際のナイロンシートの繊維が紛れたのではないかという見解だった。

4.染色ロット違い

染色ロットの違いによる色差は天然繊維のほうが起こりやすい。天然繊維の場合は元々の原料による誤差がある。また同一のレサイプ(染色の配合割合などの、いわゆるレシピ)であっても完全に色が一致しないことがある。基本的には同一ロットであれば問題ないはずであるが、厳しく製品管理をする場合は反ごとに製品とするような条件で生産したほうが無難。色のロット差というものは、一見して分からない場合でも、縫い合わせることで初めて色差を発見することもあるので注意が必要。

5.生地の染めムラ

生地の染め工程のミスということもあり得る。特に反染する生地に起こることがあり、染める際や乾燥の際にどこかにシワが寄ってしまっていたりする場合に起こり得る。生地メーカー担当者に注意をしてもらわなければなりません。

 

6.中稀

中稀とは、同一の反物の中に起こる色差のこと。主に生地の巻き始め、巻き終わりで顕著に出る場合がある。この問題に関しては裁断前に見つけることは不可能。生地の一部しか使用しないサンプル縫製では発覚することがなく、本生産の延反でも分からないことが多い。

理想としては生地に問題なく、同じ列の生地パーツを組み合わせて縫製できれば色ブレなどの問題は起こらない。しかし、生地不良箇所は、どこに現れるかも分からない。また縫製途中で修復できないミスが起こると、別のパーツを裁断し直すこともある。すると同じ段で裁断したパーツ同士を縫製しているとは限らなくなる。色ブレや中稀はこのような場合に発覚することが多い。

7.生地柄の歪み・柄ピッチの差

ピッチ約11.5cmのボーダー

生地は織生地であっても編生地であっても、均一に見えるが微妙な差異が出てくる。そもそもの糸の太さが0.01でも差があれば、それが積重なってトータルで1cm以上の単位で変わってくることになる。特に編み生地のボーダーなどでも、ボーダーがピッチごとに0.1cm差が出れたとき、パターンを並べると裾では1cm以上のズレが生じることがある。紙の製図のようにはいかないということを頭に入れておいた方が良い。

生地の柄ピッチ差などで、特に問題になるのが生地の要尺の計算。なるべくロスを少なく発注してコストを抑えたいというのも分かるが、どのように差が影響するかは生地が上がって、パターンを並べないと分からない。なるべくは余裕を持って発注し、アパレル担当者にオーバー生産が可能かどうかというような打ち合わせをしておくのがおすすめ。

アパレル生産管理が生地トラブルに備えるには

アパレル生産管理として、全てのトラブルを事前に防ぐことは不可能です。ファッションについて学習していても、生地に関してここまでトラブルが多いとは考えていませんでしたし、学習した覚えもありませんでした。生地メーカーの担当者の方とも何度も打ち合わせをし、検反の現場を見ましたが、継続して使用した生地ですら生産の際には何度も様々なトラブルに見舞われたものです。

生地メーカーとの打ち合わせ

サンプル作成時点などで生地の特性を理解して、起こる可能性があるトラブルに関しての注意を促してもらうことでいくらか検反でもトラブルを発見できやすくなると思います。ただ、通常の検反スピードでは生地不良を残さず発見することは不可能だと思います。生地のトラブルは生地メーカーさんに対処してもらいたいですが、完全にアテにすることもできません。アパレル生産管理としては自己防衛や縫製工場の防衛方法を独自で考えておいたほうがいいでしょう。

企画との打ち合わせ

生地はそもそもアバウトな側面があり、それが生地によっては特色であることもあります。生地に対しての理解して、生地メーカーの担当者も含めてあらかじめ許容範囲などをしっかりと打ち合わせしておくことが大切。杓子定規にはいかないのが生地というものだと考えなければなりません。場合によっては生地のアバウトな部分や不安定さを理解して、その生地を使用するというリスクを共有しておかなければ、全てメーカーや縫製工場が責任を負うことになりかねないので注意が必要です。

縫製工場との打ち合わせ

基本的には縫製工場に入荷した生地はA反であれば問題はない。工場はこのように考えていることがあります。しかし、生地メーカーが規定するA反と製品を作るメーカーや工場が考えているA反そのものが違います。縫製工場とは、その生地によって起こりやすいトラブルに関して注意を促しておくことが必要。生地のトラブルは「裁断したら負け」などと言われることがありますが、はっきり言うと開いてみないと分からない生地トラブルを縫製工場の責任とするのは無理があります。よく言われる「良いとこ取りでお願いします。」というセリフも全くの責任転嫁で、どこに発生しているか分からない生地トラブルを本生産で使用するのはかなりの博打であり、キズをよけながらの裁断はサンプルよりも手間がかかります。トラブルは避けられないことは多々ありますが、アパレル生産管理としてはしっかりと向き合って対処しましょう。

注意ポイント

*生地にはキズの箇所にトンボが打たれています。それは検反の際に見つけることができたトラブル。しかし、そのトンボの箇所とは別に裁断の際に縫製工場が見つける生地キズは、見落としたモノです。これを生地メーカーに送るなど、しっかりと知らせることが重要です。生地メーカーが知らなかったトラブルは改善のしようがありません。手間でもコミュニケーションを取って、互いに改善できるように取り組むことが大切だと思います。

認識してもらうことでトラブルが発見できるという記事はコチラから

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  • この記事を書いた人

ni-no

長年アパレル業界で働いて、スーツ工場勤務から生産管理やカットソー縫製工場の責任者をしてきました。ノウハウの蓄積が少ないアパレル業界の仕事に関してまとめていきます。 【仕事】 ウェブサイト作成と運営 ウェブライティング アパレル製品企画 アパレルOEM生産 承っております。 お気軽にお問い合わせ下さい。 【趣味】 ボルダリング  頭と体を鍛える最強の趣味だと思ってます!!

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