ボルダリングがうつ病改善に効果 悲観的な自動思考を解消【実感】
来年に東京オリンピックを控えて、このところ競技人口も増えているボルダリング。そんなボルダリングが2017年の研究発表で、「うつ病」の治療に有効であるということが、米国の心理学関連の学会で発表されていました。
これまでにも有酸素運動などが「うつ病」に有効とする説も発表されてきました。ボルダリングに関しては、特に競技中の集中力が病気への抵抗を強くするといいます。ここからは研究によってボルダリングがどのように「うつ病」に有効なのかということが証明されたのかということ。そしてボルダリングを実際に続けてきたことでストレス発散や心身共に健康になっている実感について解説していきます。
こんな方におすすめ
- 学校や仕事などでストレスがたまってる
- 最近ほめられてない
- 自己肯定感が低くなってる
- 色々考えすぎてしまう
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うつ病患者に【ボルダリング】をトライしてもらった研究結果
「うつ病にボルダリングが効果がかるのか。」という研究は、2015年に米アリゾナ大学の心理学研究チームがドイツのエアランゲン・ニュルンベルク大学と共同で、成人100人を対象に調査を行われました。
抑うつ症状のある被験者をランダムで二つのグループに分けました。
ポイント
- ボルダリングをすぐに開始したグループ
- 8週間の通常治療の後に、ボルダリングを開始したグループ
実験は8週間にわたって、週1回・3時間のボルダリングを実践し、4回の測定日を設けて、症状をチェックする【ベック調査票 Beck Depression Inventory・BDI】を用いて被験者の症状を観察しました。8週間後の測定で、ボルダリングを開始していたグループはBDI数値が、開始前より6.27ポイント改善したという。数値に関しては素人には、どれくらいの効果なのか分かりにくいですが、これは「重度レベル」の患者が「軽度レベル」と診断されるほどの改善を示す結果だそうです。その時点では通常治療のみを行っていた待機グループでは1.4ポイントの改善しかみられなかったということで、通常治療よりもはるかに効果が見られたのです。
この結果から、ボルダリング療法がうつ病の効果的な治療法になるかもしれないという見解がなされました。そして更なる研究が必要という発表でした。そして、今現在も継続して研究が進められているそうです。
【ボルダリング】の何がうつ病に効果的だったのか
うつ病とは悲観的なことを延々と繰り返してしまうという反芻思考が大きな原因となっていると言われています。悩むことを止める方法が分からず、集中力が低下し問題解決ができなくなってしまいます。それが仕事や勉強にミスに繋がり、さらなる悩みを抱えてしまうことになって、ますます負のスパイラルに陥ってしまうことが大きな原因となるそうです。
ボルダリングは集中力を高める
ボルダリングは手足と全身のバランスを取って、課題で使用するホールドのみを使ってゴールまで到達することを目標にしています。ボルダリングの動作には落ちないように、指先の数cm、足のつま先の感覚に集中して、体をキープする緊張感の中で課題にトライしています。
研究者の見解としては、ボルダリングをトライしている人は、この極端な集中状態で課題に取り組んでおり、落ちてしまうかもしれない怖さと、課題をクリアすること以外は考えられない。つまりトライ中は他のことをアレコレ考えていられない状態になっているということが「うつ病」に効果があるということです。そういった意識の集中と課題クリアの成功が、結果として、うつ病患者が陥りがちな「悲観的な自動思考パターン」から解消されていくということです。
- 落ちるかもしれないという怖さで指先・足先まで集中
- ケガをするかもしれないから他のことを考えない
- 課題クリアのためだけに頭をフル回転
これを元に、実際にドイツでは「うつ病治療」にボルダリング療法が取り入れられているそうです。良い結果はすぐに実践に移すのは、欧米の文化を見習いたいですね。
極度の緊張とゴールの解放感
ボルダリングは課題にトライ中は極度の緊張と集中の状態となっています。もちろんケガや命の危険すら感じるような感覚から、ゴールホールドを掴んだときに一気に、達成感と無事に終わったという解放感を味わうことができます。クリアすると周りの人から「ナイス!」という声かけもあったりすると充実感も倍増します。一人で登っていたとしても、それまで自分がクリアできなかった課題がクリアできるだけで自身の着実な成長を感じて満足できるものです。
- 無事にクリアした安心感・解放感
- できなかった課題をクリアする自己成長感
- 周りの人から褒められる充実感
実践者の見解とまとめ
ボルダリングはレベルが上がっていけばいくほど、緊張感のある課題も増えてきます。ほんのわずかな引っかかりしかないホールドに、指先・足先に全神経を集中しなければクリアできないことも多く、気を抜いたら危険な落ち方になってしまいかねません。その緊張を乗り越えてクリアしたときの達成感が、たまらなく気持ちがいいものになります。
そして、ジムに通っていくと周囲の人とのコミュニケーションが生まれ、課題クリアをグータッチで称え合います。ボルダリングは人と競うというよりも、自分なりにレベルアップしていくスポーツです。自分が成長しているという実感も積み重なっていきますので、「うつ病患者」の方にも良い効果があるのではないでしょうか。
ボルダリングに限らないのですが体を動かしてみると、気持ちがそちらに引っ張られて上がってくるように感じます。それを習慣として続けることで心を正常にキープすることが非常に効果的です。「うつ病の研究」週に1回・3時間のボルダリングが有効だったように、定期的に余計なことを考えず、汗を流す時間を作ることで、心の健康にもつながるのではないでしょうか。スポーツでストレス解消したい方は、是非一度ボルダリングを体験してみてください。
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