
意外に重要!企業理念やアピールポイントを言語化するためのヒント
ホームページを作る際に意外と難しくて時間が掛かってしまうのが、企業理念や会社のアピールしたいことを言語化することです。
そして、実際に在籍した会社でホームページのリニューアルのディレクションを担当した際に、最も苦労したポイントです。なぜ苦労したかというと、経営陣の方たちが、全くこれを重要視していなかったこと。そして文章や挨拶文を作って欲しいと依頼しても全く進めてくれなかったことです。リニューアルを丸投げしたんだから協力してくれって話なんですが…、しまいには「代表あいさつとかいる?」っと言われる始末でした。そこで、どのようにして、企業理念や代表あいさつ文の作成までこぎつけたかという方法と言語化のヒントについて解説していきます。
[toc]
なぜHP作成に企業理念・アピールポイントの言語化が重要なのか?

会社として、組織として働くには意思の統一や同一の目標を共有していることが重要です。ただ、何となく「利益を上げる」というだけの目標では曖昧になってしまいますね。利益を上げるにしても、組織として「薄利多売で利益を上げる」と「商品の質を高めて、小ロットで高い利益の商品を売る」では、社員の取り組み方は違ってくるでしょう。
以前の会社の年始に「会社としても一流、社会人としても一流を目指して欲しい。」っと当時の社長が挨拶されたことがありました。僕は「一流っていったいどんな社会人なんだ?」「どうなったら一流っていえるのか?」と考えてしまいましたが、自分では答えが出ませんでした。社長が考える一流が他の人とは違いますし、大きく食い違っていては目指す方向もゴールも変わってきます。ならば一流を目指すためにどうしたらいいのか?という具体的な行動にも繋がりません。考えを言語化し、より具体的に発信することで何をしたらいいのか?どうすべきなのかを組織で共有するこことで会社は力をアップすることに繋がると考えます。
企業名から理念をイメージする

1.社名からイメージする
企業名にはもちろん最初にその名前をつけた理由があると思います。言葉の意味が明確であれば、そのまま企業理念に盛り込こむことができます。
2.漢字の意味からイメージする
社名には創業者のお名前をつけていることもあります。漢字には単体で様々な意味が存在します。以前に所属した会社には植物漢字が入っていました。その際は、その植物の特徴や逸話、人が持っているイメージを調べました。そして企業イメージとしてプラスにイメージできること、会社の雰囲気と合致していることを抽出して、企業理念にも落とし込んでいくようにしました。
3.企業カラーからイメージする
企業には色をイメージさせる情報もあります。企業名から連想される色もあるので、ホームページ全体のイメージにも関係してくることもあります。色には心理的に人に与えるイメージがありますので、理念の中にも取り入れることができます。また多くの企業がコーポレートカラーで人に影響を与えるイメージを意識しています。
4.頭文字から新たに考える
どうしても企業コンセプトがイメージしにくい時は、名前をローマ字に変換し、イメージを後付けでも作り上げることができます。Google検索で、「aから始まる英単語」「aから始まるカッコいい英単語」と検索すると、全てのアルファベットで良いイメージの単語を手軽に調べることが可能です。どうしてもコンセプトが見つからないという場合は、最終的にこの方法で好きな単語をピックアップするだけで簡単に企業理念に使える言葉を見つけることができます。
ある言葉からさらに連想させる言葉を探すなら、ウェブ上にあるこのようなツールを使うのも効果的です。
▶▶▶ 連想類義語辞典
代表者挨拶文を作るためのヒアリング方法

代表者挨拶は創業者と違うこともあり、個人的な目標を明確にして、目指す組織を具体的にするのにも効果的です。会社の顔が見えるのでサイトの訪問者にも、より具体的なイメージをしてもらえます。
好きな言葉
この言葉にグッと来たっとか、この言葉に共感を感じるっといった経験はどなたにもあるのではないでしょうか?ただ、なぜその言葉が印象に残ったのか?なぜこの言葉に自分は強く共感を感じたのか?その理由は様々です。そこを掘り下げると、個人が歩んできた人生や経験が反映されるもの。オリジナリティのある挨拶文を作ることを考えるのにピッタリなのです。
有名な故事成語はコチラからも調べることができます。▶▶▶ことわざ・慣用句の百科辞典
好きな偉人
好きな歴史上の偉人も、その人の個性がよく表れます。なぜか一番目立つトップに立つ人より、脇で支えるタイプの人が好きだったり、どん底や逆境を味わって復活する人が好きということもあるでしょう。自分の目指す人物像やあこがれも、挨拶文としてはより共感や親しみを感じるものです。社内でも「そうだったんだ!」っと新たな発見があるかもしれません。
趣味・好み
挨拶文は共感を感じてもらっていいものです。より具体的に代表者の人物像をイメージしてもらうほうが印象に残ります。どんな会社なんだろう?どんな社長なのだろう?想像がつかないことは不安に繋がります。新規の営業先や、逆に新たに会社に訪問してくれた方は、その話をネタに雑談からスタートできる可能性があるのです。
企業理念ってやっぱり必要?

企業理念そのものは無くてもビジネスは可能だと思います。僕が所属していた会社も特に理念はなく、リニューアルの際に「理念がないのが理念かな。」っと最初に言われました。立派な理念を掲げたところで、その通りに行動できるのか?そして顧客様に対して、その理念通りにビジネスができるのか?ということも疑問であり懸念でした。しかし企業理念として目標や指針を明確にすることには社内に対してと社外に対しても大きな意味があります。
社外に対して
自分たちはこういう会社ですよっと明確にすることができます。得意分野をアピールして、それで世の中に貢献すること。それがすなわち企業の目標であり、ビジネスだからです。もしホームページを見て新規問い合わせをされる場合、この会社ってどういう会社なのかよく分からないな。っと感じたらお問い合わせもためらってしまうかもしれません。
社内に対して
自分たちはこのような組織を目指していますと明確に目標設定をする。考え方や価値観を共有して、同じ目標に向かって仕事をすることを確認できる。目標がブレているかな?と感じたら言語化してあるホームページを見ることで原点に戻ることができます。できる限り同じ方向を向いて力を発揮することが企業組織としては最も良いのではないでしょうか。
企業理念・経営理念に関しての重要さをまとめている記事 ▶▶▶ こちらも参考に
最後にまとめ
企業理念に自分たちに中々できないこと、できていないことを書いてもいいの?っと感じるかもしれません。その時は取引先さんの中で大企業さんの企業理念をチェックしてみてください。みなさんがそれに沿って仕事ができているわけではないでしょう。当然、大きな組織ほど意識を共有することは困難になっていきます。しかし、言葉としてなるべく近い行動指針があるのとないのでは大きな違いがあり、大きな組織がまとまることは不可能でしょう。それは小さな組織でも同じであり、考えは伝えようとしなければ伝わらず、伝わらない考えは持っていても仕方がないのではないのでしょうか。企業コンセプトとしっかりと打ち出すことは、まず会社のことが伝わるようにする第一歩なのです。
*実際のリニューアルの際は、このヒアリングを元に、ほぼほぼ僕が文章をまとめることになりました…