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アパレル生産管理が工場研修で意識して学ぶべきポイント【重要】

アパレル生産管理が工場研修で意識して学ぶべきポイント【重要】

 

アパレルのデザインやパターンや生産に携わっている方々は、縫製工場へ研修に行かれたことはあるでしょうか?アパレル業界の現状は非常に苦しくなってきていますので、新入社員への教育や研修に力をいれられなくなっているのが現状です。しかし、そんな現状がアパレル生産管理と、縫製現場での意識の乖離の原因となり、生産トラブルが多発しているのではないかと思います。この記事では、生産現場をスムーズに動かすために必要な意識として、アパレル生産管理が学ぶべきことを縫製工場での実地研修によって身につけるべきではないかというテーマで書いていきたいと思います。

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アパレル業界の社員教育の現状

私は日本国内と中国に自社縫製工場を持つメーカーに生産管理として中途入社しましたが、工場での研修期間というのはありませんでした。私が入社する以前、2000年代前半には1か月間程度の工場研修期間があったそうですが、新卒の採用が減っていくとともに研修はなくなってしまったようです。そうして新人教育はおろそかになり、OJT(on the job trainning)という名の、現場担当者任せでの実戦投入が行われています。そのことが一因となり、アパレル生産管理と縫製現場の意識はどんどん離れていき、様々なトラブルを引き起こしているように感じます。

なぜ研修はなくなったのか?

  • 新入社員が縫製工場にしばらくいても、あまり教育意義や効果がないと感じたから
  • 事務職と、現場の工場の仕事を明確に分けるという名目
  • 工場側の受け入れとしても、1か月後にいなくなってしまうので、作業説明や教えるのが手間だったから

 

工場研修で何を学ぶべきかは明確にすべき

社員教育のために工場に研修を行うことがなくなってしまった理由としては、残念ながら研修に送り出す側の立ち場の人間が、何を学んできてもらいたいか明確にできなかったのため、その教育効果が薄れてしまった可能性が高いです。しかしアパレル業界は古い考え方の人が多いので、こんなことを言うと「学ぶべきことは、研修にいった者が自ら考えて学び取るべきだ。」と反論されてしまうかもしれません。言わんとしていることは理解できますが、これからどのようにアパレル生産に携わっていこうかまだ見当もつかない、そしてアパレル生産知識も経験も少ない新人にそれを求めるのは、いささかハードではないでしょうか。そしてアパレル生産管理を経験した方々でも、「工場に研修や出張で何を学ぶべきか?」を明確に、新入社員・部下に説明できる人も多くはないのでないかと思います。

 

アパレル生産管理が工場研修で学ぶべきこと

アパレル生産の事務職と製造現場の決定的な違い

デザイナー・パタンナー・生産管理など、デスクワーク・事務職と製造現場の決定的な違いとは何でしょうか?それは時間の感覚です。企画や管理などのデスクワークは働いた時間がそのまま売上につながるわけではありません。仕事の優先順位もある程度自分で管理できます。つまり、どこかで時間をロスしても効率よく仕事をすれば取り返すことができ、時間ロスがそのまま売上のロスになるわけでもありません。対して、縫製工場は1日の縫製枚数がそのまま売上に直結します。つまり作業が進まないこと。時間のロスが、そのまま売上のロスに直結します。この一見、当たり前のことが事務職と製造大きな隔たりであり、アパレル生産管理が意識しなければならないポイントです。

工場とは基本的に1日に何着生産できるかが、そのまま売り上げ額になります。

1日に生産できた枚数が工場の売上

つまり 工賃見積もりとは
工賃 = 1日の工場の売上目標 ÷ 工場の予測生産数

時間から時間までに、一つ一つの作業を秒単位でなるべく効率化して、1日に目標よりも1枚でも多く仕上げたいところです。人と物の;流れを、止めないことが工場を管理することであり、生産をスムーズにしてもらう生産管理の仕事といってもいいかもしれません。

 

縫製工場の生産をスムーズにするには

縫製工場の生産をスムーズにするのは現場である工場の仕事。そう考えていてはアパレル生産管理と縫製工場の溝が埋まっていくことはないでしょう。実は縫製工場の生産の流れをストップさせたり、滞らせたりする要因の多くは工場の外にあります。

工場を止める主な原因

  • 生地・資材入荷の遅れ
  • 生地・資材の不足
  • 刺繍・プリント等の二次加工上がりの遅れ
  • 提出サンプルチェックなどの返答の遅れ
  • デザイン仕様などの変更に対する返答の遅れ

商品を製造する上で、トラブルが起こることは常に考えなければなりません。そして、デザイナーや取引先のチェックを受けてクリアすることも行わなければならないのも確かです。これらを理解した上で、どのように業務を行えば生産工場の流れを止めることなくスムーズできかを考えながら仕事をしなければならないのがアパレル生産管理の仕事になります。

縫製工場の生産フローチャート

フローチャートPDF

簡単な縫製工場のフローチャートを作りました。黒字は、その時点で必ず揃えておかなければならない資材です。
「これぐらい知ってます!!」って言われてしまいそうですね。。。

しかし、何となく知っているということ、流れを本当に理解して縫製工場さんと仕事をできているかは全くの別の話です。以前に自分が所属していたメーカーの10年以上のベテラン社員でさえ、実際に理解ができていたかは非常にあやしいところです。そのため、資材の不足や入荷遅れなどのトラブルを起こしたとしても、工場の生産の流れを止めることで起こる赤字費用に関しては危機意識が低いものでした。

 

生産管理は縫製工場の責任者と同じような立場

Tシャツ工程分析の例

Tシャツ工程分析の例

実はアパレル生産管理と工場の責任者の業務は非常に近いです。生産管理は多様なデザインのアイテムを工場の得意不得意やスケジュールを考慮して、日本の工場や海外の工場、そして協力工場にも依頼して生産していました。縫製工場の責任者は、生産管理と同じように工場の流れをスムーズにするためのスケジュール管理に加えて、マネジメント業務・工場運営業務が加わります。工場の生産をスムーズに行うという点においてアパレル生産管理は、工場責任者の行う仕事とほぼ変わりません。つまり工場の売上は、アパレル生産管理のスキルによって大きく左右されると言っても過言ではありません。それぐらい、工場というものの特性を知っておくべき立場なのです。

 

縫製工場の生産のロスはコストアップでしか埋まらない

通常1日8時間業務で100着生産できるとして、トラブルが発生して20%効率が落ち、80着しか生産できない日が2日あったとします。しかし、通常通りの100着に戻っても生産効率がが落ちていた日を補うには、残業代を支払って効率を上げるしかありません。すると結果としてはコストが上がるので工場の売上(利益)が減ることになってしまいます。基本的に縫製工場の生産数は、人員体制を100%で稼働させた時以上に極端に上がることはありません。ロスを補うには時間、即ちコストをかける必要性があるのです。

 

生産管理工場研修で流れを止めない時間の大切さを理解すること

アパレル生産管理は、生産に関しての段取りを整え、製作総指揮を行う立場だと考えています。無駄な作業を減らし、効率よく、滞りなく生産することが求められます。ただ、そこにはトラブルの種もあったり、忘れてはならない確認や検査事項等も存在します。それらを上手くクリアし、止めることなく出来るだけ最短で工場が生産できるようなお膳立てをすべき立場だということを実感するには、工場に研修に行くのが一番良いと思います。

重要な確認事項

  • 資材や型紙や仕様書が不足なく、必要な時に用意できていること
  • 刺繍やプリントの加工が、予定通り戻ってきていること
  • 検査結果や納前サンプルの結果を早く連絡すること
  • 資材遅れ、その他トラブル、作業を止めるならなるべく早い連絡とその後の流れ
  • 工場の質問・確認は、即確認と即返答

工場で仕事をすることで、このような確認の一つ一つが大切な作業だと理解できるでしょう。縫製工場の流れが止まるということは、、、いかに納期と経営をいかに苦しめる可能性があるのかを、少し頭に入れていただけると幸いです。

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  • この記事を書いた人

ni-no

長年アパレル業界で働いて、スーツ工場勤務から生産管理やカットソー縫製工場の責任者をしてきました。少しでもファッションやアパレル業界のためになるように、トラブル対処の経験やノウハウをメインにまとめています。 ついでに仕事合間の趣味に関しても記事にしています。 ウェブサイト作成と運営 ウェブライティング アパレル製品企画 アパレルOEM生産 承っております。 お気軽にお問い合わせ下さい。

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