
アパレル未経験者が縫製工場に生産をスムーズに依頼するコツ
アパレル生産の経験がない人が、ブランドを立ち上げてアパレル製品を作りたいと考えたとき、まず縫製工場に電話やメールでコンタクトを取ってくる場合があります。
ところがアパレル生産が未経験ということで話が噛み合わず、問い合わせだけで終わってしまうということをよく耳にします。この記事では縫製工場を運営していた立場から、どのように依頼を受けたら新しいブランドの生産に対して力を入れて取り組もうと前向きに進めていけるかを解説していきます。
こんな人におすすめ
- アパレルブランドを作りたいと考えている
- 自身でファッションブランドを立ち上げたいけど生産ノウハウがない
- 小ロット生産を相談できる縫製工場とのネットワークがない
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1.まずはきちんと自己紹介

ビジネスが始まるにはお互いの信用が基本となります。縫製工場さんに問い合わせ・相談する際にも、あなたの身元をはっきりさせることが大切です。ホームページからの問い合わせ、SNSのダイレクトメールなどでも全て同じことです。まずはあなたの現在のこと、そして今後どのような取り組みを目指して縫製工場さんとコンタクトを取っているのかを明確にしましょう。
縫製工場さんのウェブサイトには自分自身のことを全く説明しないで問い合わせだけが来ることがあります。どのような人なのかはっきりしないまま結局生産依頼もなく終わってしまうことが多いということをよく聞きます。メールは性質上、ょく分からない相手には返信しないこともあるでしょう。これは逆の立場で考えるとわかりやすいのですが、迷惑メールが来たということとあまり変わりません。
生産の相談をしたくてコンタクトをする場合はまず逆の立場となり、まず自身のことを知ってもらうことから心がけてください。ビジネスはお互いのビジョンの一致やメリットがあってこそです。信用できない相手とはビジネスはスタートしないということを頭に入れておいてください。
2.依頼したいアイテムを具体的にする

縫製工場から見た場合、「こんなアイテムを作りたいです。作ってくれる縫製工場ありませんか?」っという呼び掛けを見た場合は、まず「ウチの工場で作れるのか?」を第一に考えます。多くの縫製工場は本縫い・オーバーロック・扁平縫いの二本針始末など、汎用性の高いミシンのみで縫製できるアイテムならば問題ないと思います。しかし特殊ミシンが必要な場合、例えばインターロック・千鳥ミシン・フラットシーマ・二本針二重環ミシン等、そのミシンを持っていなければできないデザインの場合そもそも作れないという可能性があります。
縫製工場は多く受注できるアイテムや得意なアイテムに合わせてミシン設備を整えています。そのため、衣料品や雑貨の中でも縫製できるアイテムとできないアイテムが意外に細かく分かれています。
縫製工場の得意アイテムが細分化されている理由はコチラの記事を御覧ください 続きを見る
アパレル生産未経験者も知っておくべき日本国内の縫製工場について
3.支払い方法を明らかにする

まだ縫製工場がキレイに生産してくれるかどうかも分からない状態で支払いに関して話をするのは不安だとは思います。しかし縫製工場としては仕事をして従業員を動かしたとしても、きちんと支払ってくれるかどうか?支払いの能力があるのか?っというのは非常に大きな問題なのです。
特に小規模・個人ブランドの場合、そして初めての取引の場合にはそういった不安感が大きいものです。例として最初の取引の場合は、先に費用の半分を支払って納品後にもう半分支払いなどにすると、縫製工場さんと良い関係を作っていきやすいかもしれません。
また「このように支払いをするつもりなんですがいかがでしょうか?」っと相談すると、逆に工場さん側からももう少しサイトを長くしてもいいですよ等と提案してくれるかもしれません。相手が聞きにくいこと、確認しておきたいことに関しては依頼側から先に話してあげると安心できる相手だと感じます。
*とはいえ縫製工場への支払いは製品を作らなければ発生しないので安心してください。
支払いサイトの例
OEMメーカーA⇒縫製工場 | 20日締め、翌月10日支払い |
OEMメーカーB⇒縫製工場 | 月末締め、翌月末支払い |
4.生産管理方法の相談

基本的に縫製工場は裁断・縫製・仕上げ・梱包の作業が仕事となっていて、縫製のための資材(糸など)以外は依頼側が用意することが多いです。生地や資材手配までお願いしたい場合は、できない可能性があるため早めに相談しておくようにしましょう。縫製工場さんによっては生地やボタン・ファスナーなどの付属も手配できる場合はあります。その場合は発注や事務手続き管理なども含めて、工賃ではなく製品代金ということになります。
アパレル生産における料金負担の一例
原材料・生地 | メーカー |
副資材(ボタン・ファスナー・裏地・テープ・接着芯) | メーカー |
縫製用資材(糸・スピンテープ・接着テープ) | 縫製工場 |
ブランド資材(ネーム・品質表示・下げ札) | メーカー |
指定梱包資材(袋・台紙・キーパー・ピン) | メーカー |
指定外の外装資材(ダンボール) | 手配は縫製工場(工賃にプラスして請求) |
運賃 | 縫製工場 |
5.スケジュール・納期・トラブル時の対処

サンプルをいつ製作して、本生産をいつの時期に想定しているかを縫製工場さんと話し合っておくことはとても重要です。縫製工場には既存の取引先が多数あり、どの時期が特に忙しくなるかということは把握しています。スケジュール想定を打ち合わせることで、いつまでに資材を準備してスタートをすれば小ロットでも対応できるということを確認すると、生産管理のタスク管理もできてお互いにとって納得できるポイントをすり合わせることができます。
スケジュールはできるだけ余裕をもった組み立てを行い、トラブルや納期遅れを想定して早めの対処ができるように動き、自身の休日にも縫製工場が動いている場合があることを想定して連絡がとれるようにもしておきましょう。
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6.OEM中間業者に依頼するメリットも考える

アパレル生産の未経験者は、OEMの中間業者に依頼することも一つの方法です。管理費などの費用の面が心配だとは思いますが、結果として依頼者・OEM業者・縫製工場の3者全てにメリットとなることがあります。お金の負担においても、支払いのサイトなどの選択肢を増やすことができきます。
OEMメーカーに依頼するメリット
- 様々なアイテムに合った縫製工場との繋がりがある
- 生地や資材を手配を含めて依頼できる
- 小ロットでも縫製工場に依頼しやすい関係ができている
- 生産管理やトラブル対処を任せることができる
- 費用負担に関して選択肢が増える
まとめ

アパレルは参入するハードルが低いと言われていますが想像するよりも様々なトラブルなども考えておかなければならず、何事もなく生産することは経験者でも非常に難しいものです。芸能人・インフルエンサーの方や一般の人でもアパレルブランドに挑戦されることがありますが、やはりプロのアドバイスを受けながらプロダクトを行うことが最もおすすめです。
誰もトラブルが起こることは望んでいませんが、お互いのコミュニケーションによる食い違いをなくせば、もっとスムーズで良好に仕事ができることに繋がると思います。
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