アパレル初心者でも縫製工場にスムーズに見積もり依頼する方法
アパレル未経験者の場合、商品を生産したいと考えたとき、縫製工賃の見積もりをどのように出してもらえばいいか分からないことが多いようです。そしてその見積もりが高いのか?もっとコストを抑えられる可能性があるかという判断や交渉も難しいでしょう。
逆に縫製工場側からも、情報が不足して見積もりが出しようがないという話も出ることが多いです。この記事では縫製工場に生産前の見積もりをする際に、どのように準備すれば見積もりがしやすくなり、お互いにスムーズに話が進むのかということを解説していきたいと思います。
こんな人におすすめ
- これからブランドを作って工場に依頼をしようと考えてる
- 縫製工場とのコミュニケーションをどうすれば良いか分からない
- 小ロット生産で中々見積もりを出してもらえない
アパレル業界の転職でトップクラスの実績があるエージェント
▶▶▶クリーデンスに無料登録する
縫製工賃の見積もりとは
縫製工場の工賃の見積もりとは、主に2つの要素で算出されます。一つ目はどのくらい時間(工程数)がかかるアイテムなのか?二つ目はどのくらい費用・資材が必要なのか?ということです。たったこれだけ?っと思われるかもしれませんが、これが基本です。しかし、見積もりを依頼をされる際にこの二つを算出するために必要な情報が不足していることが多いです。
どのくらい時間(工程)がかかるのか? | ・正確な服のデザイン・仕様(サンプルからの変更の有無) ・使用する素材(裁断・縫製がしやすいか?難しいか?) |
どのくらい費用・資材が必要か? | ・必要な糸や芯(工場手配なのか?) ・運賃(二次加工場送りの有無、納品の際にたたみかハンガーか?) ・梱包資材費用(工場手配なのか?) ・その他、(工場側負担で何を手配する必要があるのか?) |
正確な服のデザイン
どれだけの工程数があるのか?見積もりを出すために工程数を把握するには、裏表や細部まで確認しなければ正確に分かりません。最も確実な方法はサンプルを一着作ってもらうこと。または全く同じデザインの現物を見て縫製工場さんに見てもらうことです。具体的な工程数も分かり、生地が縫いやすいのか?裁断で柄合わせに手間が掛かってしまうのか?など詳細にイメージができます。
しかし、サンプル段階ではこれから生産するものズバリが存在しているわけではありません。そこで実際の生産アイテムが分かるデザイン画や細かな仕様が分かる指図書、または写真画像が必要なのです。それにはもちろん裏側までどのような作りになっているのかが分かった方が良いのです。
アパレル業界でもあるこんなやり取り
こんなワンピースのオーダー300枚で見積もりだけ出して!!
(写真か過去の仕様書のデザイン画)
(こんな感じって 曖昧だしよく分かんねーけど・・・)
なんとなくだけど・・・3000円くらいですかねー
了解ー
仕様書できたから送りますねー
全然、言ってたデザインと違うじゃん
この値段じゃできないよ!4000円はかかるよー
えー!3000円くらいって言ってたじゃん
そんなに出せない。高いよー!!
*工程分析について詳しく知りたい方はコチラ
アパレル生産管理も縫製工程分析の基本を理解した方が良い理由
続きを見る
使用する素材
使用する素材の情報は、柄合わせが必要かということはもちろん、素材の厚みや伸縮性、強度、織り編み組織の密度のようなことも関わってきます。
素材の現物が手元にない状態で判断するのは非常に難しいですが、①生地と生地を合わせて縫製する②生地を重ねて裁断するそのような作業をすることを考えたときにデリケートに扱わないといけないかそうでないかくらいは想像するようにしてみましょう。あとは経験を重ねていけば、少しずつ現場イメージとも近づいていきます。
必要な資材・工場が負担するもの
縫製工賃の見積もりは、工場で一体どこまで資材などを負担するかによっても変わってきます。
縫製資材である縫い糸は通常は工場が用意することが多いですが、消臭糸や制電糸などの特殊なものは発注側で手配しなければならないこともあります。接着芯はブランドによって指定がある場合はメーカー側が手配でし、工場で手配しやすい接着芯をお任せするといったケースなどさまざまです。それぞれのやり方によって見積もりも変わることがあるでしょう。
アパレル未経験者で多いのが、縫製工場が生地手配やパターン手配なども全て行っていると考えていることです。さらには刺繍やプリントの手配なども縫製工場に管理をお任せということであれば、もちろん大きく見積もりが変わります。これは縫製工場ではできる場合とできない場合があるので、お互いがカバーする範囲を明確にすることで見積もりの際のお互いの誤解を防がなければなりません。
*アパレル未経験者が生産の際に準備するべきことに関して、詳しくはコチラの記事も参考にしてください
【アパレル生産】縫製工場に生産依頼する際に用意すべき6つのもの
【アパレル生産】縫製工場に生産依頼する際に用意すべき6つのもの アパレル未経験者の方やインフルエンサーの方など、アパレル分野に興味を持って参入して来ることは業界が新しく刺激され、活性化されるのでとても ...
ワンランク上の見積もり依頼をするには
見積もりを依頼する場合に、最低限としてアイテムやどんな資材が必要かなどといった情報が必要です。縫製工場側からの視点では、さらに多くの情報があった方が見積もりが検討しやすく、スケジュールを考えるなどの具体的で前向きなやり取りができるようになります。
生産時期の予定
生産時期をいつ頃の予定だということを伝えると、そもそも仕事を受けられるか?他の生産とバッティングしやすい時期か?など検討しやすくなります。いつ頃に受注数が分かって、材料手配がいつから、納期はこれぐらいを想定しているといった情報です。
他のブランドとのバッティングが予想できる場合は、工場側からもいつまでに材料を手配して生産を進行できるようにして欲しいといった要望もあるでしょう。このような調整を行っているのが、メーカーの生産管理というポジションです。
特に小ロットでの生産希望であれば、縫製工場にとって生産にゆとりがある時期の依頼ができると受注してもらいやすくなります。「予定や状況がまだ分からないし、変わるかもしれない。」と心配でも構いません。状況が変わった時にその都度連絡すればOKです。ただし何も連絡をしないと縫製工場のキャパが埋まってしまう可能性があったり、縫製工場の事情も変化しますので、連絡なしに自分の都合のみだけで予定を変更するのはNGです。
想定生産枚数
特に始めたばかりのブランドや個人ブランドなどは、受注数が読みにくいもの。しかし見積もりには本来は数量が非常に重要です。想定できないという場合にも、見込み数を縫製工場さんに伝えることで、見積もりも生産キャパの確保も考えやすいものです。
想定より受注がいかなかったなどという事態は、現在では大手アパレル企業のブランドでも珍しいことではなくなってきています。数量に関して想定とかなりズレが出てしまっても、なるべく早く工場には連絡しておきましょう。これも連絡しないでスルーすることや、聞かれたら答えるという対応より、コチラから連絡をするようにしておいた方が信頼関係ができます。
スケジュールや数量の予定が全く分からないというように情報が何もない場合、縫製工場としては細かく考えた見積もりを出せないので、【とりあえず高めの見積もりを設定しておく】ということになりますので注意してください。
///// アパレル生産未経験者でも分かるファッション生産の解説本Kindleにて販売中 /////
Kindle Unlimitedなら1ヶ月間
無料でお試し購読できます
/// 転職登録・相談は無料///
※無料でアパレル業界の転職を目指すなら、ファッション・アパレル業界専門の転職支援サービスのクリーデンスがおすすめ。人気の有名ブランドを含む3400社以上の企業から、あなたに合った求人を探して無料で転職サポートしてくれます。
▶▶▶ 無料でクリーデンスの転職支援サポートに登録する